出版社内容情報
ファンから切望されつつも幻に終わった猪木vs前田戦、「裏ビデオ」で一世を風靡した前田vsアンドレ戦など、昭和プロレスの「迷宮入り」とされている試合を二十数試合とりあげ、事件の真相を読み解きます。名著『流血の魔術 最強の演技』（ミスター高橋著）以降、生半可なディテールでは満足できなくなってしまった迷えるプロレスファンに捧げる一冊です。YouTube時代のいまだからこそ、本書の最終結論に触れ、試合映像をこころゆくまで味わってください!
内容説明
猪木舌出し失神事件の前夜、猪木がホーガンに極秘指令、長州力「かませ犬事件」を光らせた藤波のガチ対応、前田ｖｓアンドレ戦放送禁止事件を引き起こした黒幕。全２５戦収録。
目次
第１章 謎の遺恨試合
第２章 名勝負の真実
第３章 疑惑の数字
第４章 リング外の暗闘
第５章 伝説の綻び
ボーナストラック 筋書きの破壊
著者等紹介
井上譲二［イノウエジョウジ］
１９５２年、神戸市生まれ。大阪芸術大学卒業。在学中より『週刊ファイト』通信員として英国マットを取材。１９７７年、『週刊ファイト』米国特派員としてニューヨークに駐在し、数々のスクープを連発。帰国後、新日本プロレス担当として活躍したのち、１９９４年６月『週刊ファイト』編集長に就任。２００６年９月の休刊を機に発刊元の新大阪新聞社を退社、フリーの立場でプロレス記事を執筆し活躍している（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomomi Yazaki
17
昭和のプロレスはその凄さを語るより、今はYouTubeを観れば一目瞭然。幻のサミーリーの英国での映像すら簡単に手に入る。でも映像だけでは分らないその裏の物語も確かにあった。ここでの内容は半分真実で、半分は憶測。でも本書は理論武装などせず、自身でそれを確かめる為のツールなのかも知れない。佐山が税金未納入で出国できずタイガーマスクの誕生が危ぶまれた時、福田総理の口添えで事なきを得たという信じ難いエピソードもあり、昭和プロレスの偉大さも感じられる。そして私の遠い記憶を辿ると、確かにその断片は見事に一致していた。2021/02/06
Masaru Yamada
7
元週刊ファイトの編集長・井上譲二によるプロレス事件簿の裏側を解説した一冊。暴露本と違ってその当時の取材に基づくものであるため信憑性が高い。猪木vs前田はなぜ中止になったのか？前田 vsアンドレのシュートマッチを仕掛けた黒幕は誰だったのか？なぜブロディは長州力の技を一切受けなかったのか？なんて刺激的な目次が目に入れば買うしかない・笑笑。 真相は見る人の立場が変われば事実も変わってくるというのが、私の感想。昭和はとにかくファンタジーだった。2021/01/30
速読おやじ
6
4.29前田アンドレシュートマッチ、1.4橋本小川セメントマッチの真相は？元週刊ファイトの井上編集長がプロレス界の迷宮入りの数々の事件を解明する。猪木のホーガン戦でのしたい出しノックアウトが、猪木の一人芝居だったという説は色んなところで語られているが、結末が決まっているプロレスで違うエンディングになってしまう不調和は、逆にプロレスファンだからこそそそられる。不器用だった昭和プロレスを追いかけにタイムマシンで戻って、猪木コールしてみたいなあ。何だかんだ言ってプロレファンは一生やめられそうにない^_^2019/02/07
佐藤光弘
5
プロレスの一つの転換点は、2001年に出版された、元新日本プロレスレフェリー・ミスター高橋氏による、いわゆる「暴露本」にあるともいえる。1999年新日本プロレス東京ドーム大会で、当時の看板レスラー橋本真也が、柔道五輪銀メダリストの小川直也に、実質上ノックアウトされる。その後、プロレスが下火になり、総合格闘技が一大ブームとなって行く中、出版されたのだ。その後幾多の暴露本が出版された。それでも、プロレスファンはしぶとく生き残った。秘話が明かされる度、じつはプロレスの凄さが再確認されるからだ。2016/12/20
豊平川散歩
3
昭和プロレスファンの痒い所に満遍なく触れており、大変面白かった。今だから書けるネタは、非常に興味深い。夢のオールスター戦にまつわる話は、意外にいがみ合ってなかったんだと安心した。続編を期待する。2017/04/28
