内容説明
大学の敷地内で男子学生の遺体が発見された。遺書を残し飛び降り自殺を図ったかに見えたが、現場に臨場した検死官サラは妙な違和感を覚える。自殺と他殺、両方の線で調べが進むなか、第一発見者の女子学生が拳銃自殺し、事件は思わぬ様相を呈し始める。被害者二人に繋がりはなく動機も不明。捜査は難航を極めるが、男子学生の部屋からサラもよく知る元警察官の指紋が検出され―。
著者等紹介
スローター,カリン[スローター,カリン] [Slaughter,Karin]
エドガー賞ノミネートの『警官の街』(オークラ出版)や、『プリティ・ガールズ』『グッド・ドーター』『彼女のかけら』(以上ハーパーBOOKS)などのNYタイムズ・ベストセラーリスト作品をはじめ“グラント郡”シリーズや“ウィル・トレント”シリーズで知られるベストセラー作家。これまで21作を発表し、120カ国以上で刊行され、累計発行部数は全世界3500万部を超える。図書館を支援する非営利団体Savethe Librariesプロジェクトの創設者
田辺千幸[タナベチユキ]
ロンドン大学社会心理学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
95
やっと翻訳されたグラント郡シリーズ。待ちくたびれた分実際よりも面白く感じた。レイプ被害から立ち直っていないレナは鬱状態が続き、自傷行為のような生活。そこに連続殺人事件。サラの妹テッサまでが被害にあう残酷展開。サラの車がBMWZ3から330iに。え、ウィル・トレントシリーズではBMWとしか書かれてないからZ3のままで脳内再生してた。今は何に乗ってるんだろう(ポルシェより高い車としか思えない)。ジェフリー傲慢で嫌いだな。サラも頭良くて優しくてエロい設定なんて卑怯でやっぱり好きになれない。レナの今後楽しみ。2022/01/13
future4227
70
グラント郡シリーズ3作目。1作目で凄惨なレイプ被害に遭ったレナが再び事件に巻き込まれていく。彼女は被害者なのか、容疑者なのか?身も心もボロボロの彼女に同情したい気持ちは山々だが、なにせ行動や言動が支離滅裂で意味不明。そんな彼女でも熱烈なファンがいるというのは驚きだ。今作は犯行に及ぶ手口や犯人の動機など意外にあっさりと描かれてしまって、捜査でじわりじわりと追い詰めていく緊迫感がまるでないのが残念。警察署長のジェフが迷走しまくっている。そして、衝撃のラスト!やはりお前かっ!2022/02/14
ナミのママ
53
<グラント群シリーズ>3作目。ウィルのシリーズで登場人物達のその後がわかってしまっているのがとても残念。2003年に書かれた本作。主人公は警察をやめて大学の警備員になったレナ。事件の舞台もその大学。相変わらずいっぱい死ぬ。薬物、人種差別、暴力…これでもかという感じ。破壊的な人物も多く登場する。そんな中でレナ。好かれないキャラクターとしていつも書かれるレナ。彼女の心の傷は深い。次の作品でどうなっていくんだろう。2022/01/03
ほちょこ
37
登場する人物全員、気に食わない。という作品も珍しい。でもなぜか、頁が進んでしまうのがスローター女史の作品ならではの展開戦略なのだ。全員が疲弊してて、そのうちの半数が負傷してて、もうホント痛々しいのだけど、犯人はのほほんと登場したり引っ込んだりしてる。そんな次作もまた期待したい。2022/02/11
星落秋風五丈原
34
カリン・スローターはウィル・トレントシリーズとグラント郡シリーズを並行して刊行している。前者からすれば後者は過去にあたり、ヒロインサラは新しいパートナーを得て幸せいっぱいなのに、グラント郡シリーズでは浮気が原因で別れた前夫ジェフリーとくっついたり離れたりを繰り返しているので若干欲求不満気味。いざ事件が起こってサラの弱い部分が刺激されると、頼っていく先は彼の所なのだ。ましてや事件となれば検視官と保安官は顔をつきあわせる機会も多い。サラの妹テッサを事件現場に連れて行き、重症を負ったことで二人の仲は近づく。 2022/01/15