出版社内容情報
夏目漱石の不朽の名作『吾輩は猫である』が、新装版で蘇ります。表紙には、動物写真家・岩合光昭氏の味わい深い猫の写真を使用。今にも喋りだしそうな、可愛い写真を選びました。中身も見た目も、猫好きにはたまらない一冊に仕上がりました。夏目漱石の没後100年記念企画です。
内容説明
猫から見た人間は、かくも不思議で滑稽なり。「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」―鮮烈な書き出しから始まる漱石の処女作は当時の読者に衝撃を与え、今なお色褪せぬ名作となった。英語教師の苦沙弥先生と、その家に出入りする美学者や教え子、書生といった人間たちをじっと見ている「吾輩」の言葉は、時に驚くほど痛烈だ。
著者等紹介
夏目漱石[ナツメソウセキ]
1867年、江戸・牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)生まれ。東京帝国大学英文科卒。松山や熊本の中学校・高等学校で教鞭を執った後、英国に留学した。帰国後は東京帝国大学等で英文学を講ずる。1905年に処女作『吾輩は猫である』を発表。『坊っちゃん』『倫敦塔』など話題作を次々に執筆。1907年、新聞社に入社する。紙面での連載小説は大評判を呼んだ。晩年は胃潰瘍に悩まされる。『明暗』を執筆中に病状が悪化し永眠。享年50(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともかず
32
古語が読みづらかった。現代語訳で読んでみたい。迷亭のトリックスター感は好きでした。2018/04/12
蒐
29
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」という有名な冒頭文だけは知っていたが、恥ずかしながら内容は知らず。猫が語り部なのだからさぞ読みやすかろうという予想は外れ、吾輩の博覧強記っぷりと人間観察力にただただ圧倒された。起承転結は特になく、飼い主の苦沙弥先生をはじめキャラの濃い人間たちの会話をひたすら聞いたり、哲学的思索に耽ったりするのみ。これ猫視点だから楽しめるが、同じ内容で語り部がおじさんとかだったら楽しめたか微妙なところである。つまり猫は偉大。先生は猫の魅力に気づくべき。せめて名前をつけてあげてと言いたい。2019/07/29
こーた
28
やっと読めました。出だしの「吾輩は猫である。名前はまだない」は知っていましたが、その後のストーリーは知りませんでした。最後の終わり方も意外でした。カバーの猫がかわいい。2018/04/20
まあちゃん
20
子供の頃読んだが、細部はすっかり忘れていた。今読むと、落語のような語り口。くすりと笑える。特に寒月と迷亭と苦沙弥先生のすっとぼけた会話が愉快。奥様と子供達もなかなかに面白い。多分子供の時は、面白さをほとんど分かっていなかったなー。2018/08/05
めい
17
あまりにも有名な書き出しから、猫の視点を通して明治の人達の様子が見られて新鮮な驚きがたくさんありました 有名な言葉の他にも綺麗な言葉や初めて聞くような言葉がたくさん溢れていて、今より情報がずっと少ない200年近く前に生きていた人がこんな言葉を綴れるなんてと感動しました こんなに古い作品が今もたくさんの人に読まれているという現実に納得せざるを得ない作品でした2024/03/18