内容説明
公団住宅は誕生して62年になる。著者は入居52年来、自治会活動をつづけてきた。まずは「まちづくり」に取り組み、1978年に公団初の家賃値上げに抗して家賃裁判に参加、「居住は権利」を訴え、いまも住宅運動とコミュニティ活動の最前線に身をおく。日本住宅公団の設立から都市再生機構にいたる変遷の経路をたどり、公団業務・財務の実態を明かす。政府が公団住宅廃止を打ちだして20年。団地の住まいと公共住宅を守ってきた居住者連帯のたたかいを記録し、住宅政策転換への国民共同を呼びかける。
目次
第1部 団地入居とまちづくり(憧れの団地に入居できて;団地の出現と国立のまちづくり ほか)
第2部 公団住宅の誕生から公団家賃裁判まで(日本住宅公団設立と公団住宅;大資本奉仕の実態と用地買収の黒い霧 ほか)
第3部 中曽根「民活」―地価バブルのなかの公団住宅(公団住宅の市場家賃化と「建て替え」着手;建て替えにたいする居住者の困惑と抵抗 ほか)
第4部 小泉「構造改革」と公団住宅民営化の道(独立行政法人化して都市再生機構に改組;住生活基本法は小泉構造改革の総仕上げ ほか)
第5部 存亡の岐路に立つ公団住宅(第2次安倍内閣の公団住宅「改革」の新シナリオ;どこへ行く住宅政策―公団住宅居住者の生活と要求)
著者等紹介
多和田栄治[タワダエイジ]
1933年岐阜県生まれ。56年早稲田大学第二文学部露文専修卒業、出版社勤務。美学・藝術論関係のロシア語文献翻訳出版。筆名・伊吹二郎でも翻訳・論文執筆。74年エルベ書店設立。88年東京多摩公団住宅自治会協議会会長、全国自治協代表幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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