出版社内容情報
竹は女の樹だ。細く、風に容易くしなってしまう。けれど、容易く折れはしない――。江戸の片隅の竹林を背負った家で、「闇医者」として子堕ろしを行うおゑん。彼女は、ひたむきに信じた愛や、幼き日より育んだ友情を失い、怒り、惑う女たちに助けの手を差しのべる。異国から流れ着き薬草に精通する末音と、情を交わした男に殺されかけた過去を持つ見習いのお春とともに。
いきさつのある女たちの再生を描く、人気シリーズ第二弾。
〈解説〉末國善己
【収録作品】
「竹が鳴く」
「花冷えて」
あさのあつこ[アサノアツコ]
著・文・その他
内容説明
竹は女の樹だ。細く、風に容易くしなってしまう。けれど、容易く折れはしない―。江戸の片隅の竹林を背負った家で、「闇医者」として子堕ろしを行うおゑん。彼女は、ひたむきに信じた愛や、幼き日より育んだ友情を失い、怒り、惑う女たちに助けの手を差しのべる。いきさつのある女たちの再生を描く、人気シリーズ第二弾。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師を経て、91年に作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー1~6』で小学館児童出版文化賞を受賞。2011年、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
81
闇医者おえん秘録帖「花冷えて」2巻。産むことが出来ない訳ありの女たちを受け入れて、薬草に詳しい末音と、情を交わした男に騙され殺されかけた過去を持つお春と、小堕ろしを行うだけでなく女たちの新たな人生を生きる手助け主人公主人公おゑんさん、ほっとさせられますね。 2022/03/14
はつばあば
66
正月明けにおゑんさんの堕胎モノを読むのはなんだが、おゑんさんは薄情なお人じゃない。産みたいと願うものにはしばしのたつきと、自我の芽生えを与えて母なる事に力を貸す。今回のおゑんさんは脇役に近いお江代とお静に興味をもった。どちらも大店の娘で跡取りの婿をもらったお江代と、もらう予定のお静。どちらの女にも巣くう「僻み」。これだけはいくらおゑんさんでも手の施しようがない。結婚・出産いまだに根強い支持を持っているが・・・年末年始をギャング達と暮らした身には枷から逃れてホッとしている(#^^#)。2019/01/07
カピバラ
27
面白かった!!一気読みしてしまいました。あさのあつこさんは本当に時代ものを描くのが上手だなあ。「竹が鳴く」も、表題の「花冷えて」どちらも甲乙つけがたい!お江代のキャラが凄まじかったなあ…ちょっとサイコパス入っているよね、まあ、お静さんもそうかな。お竹やラストのおやすに女性としてのしなやかで強かなものを感じました。 女は強し!2020/01/16
剛腕伝説
21
商家の女将に連れてこられたおたけ。子を流そうとする女将。産みたいおたけ。おゑんはおたけを預かり、出産に尽力する。娘コロリ。剣呑な病がおゑんの心に引っ掛かる。病ではなく、人的悪意だと。 二話とも読みごたえがあった。でもなぁ、おゑんが【ふたなり】の必要性があるのかな?2022/07/30
まぁねぇ
19
女の性(さが)と業をおゑんの眼を通して綴られる。女って弱いのか強いのか、愚かなのか賢いのか、怖いのか可愛いのか。いろんな女の面が見えて自分を振り返る勇気があまり出てこない。きっと次作も読む。2019/10/18