内容説明
授業の画期的転換―完了した事実から揺らぎを伴う事実へ。現在社会科(地歴科、公民科を含む)の授業の多くは、「事実」の教え込みに終始する典型的な受動型授業に陥っている。主体的思考力の育成に逆行する現状打破のため、本書が主張する「不確実性」の導入とは何か―「起こった事実」から「起こりえた事実」への目標転換、即ち事実に揺らぎをもたらす“イフ”の導入は、俄然学習者の意識を覚醒させる。本書は、この画期的意識転換へ向け、理論と提案等、さらに具体的な授業実践例を結集した、社会科刷新の書である。
目次
第1章 社会科における「一本道」型授業の問題(必然性の言語ゲーム;いくつもの「キューバ危機」 ほか)
第2章 社会科授業にリスクテーキングなコミュニケーション体験を(社会認識の育成と社会的実践力の育成;ルーマンのコミュニケーション論 ほか)
第3章 勝敗を競うディベートの社会科教育における意義(勝敗回避的、合意志向的な社会科ディベート学習論への疑問;C.ムフのラディカル・デモクラシー論 ほか)
第4章 国際政治と外交にかかわる判断と意思決定の主体を育成する(とりわけ不確実性が高い国際政治と外交の問題を社会科はどう扱うか;外交問題を取り上げた従来の社会科実践とその問題点 ほか)
第5章 外交交渉ゲームが開く「いくつもの戦後日米関係」(外交交渉ゲーム「インディペンデンス・デイ」;ゲームの内容構成 ほか)
著者等紹介
吉永潤[ヨシナガジュン]
1959(昭和34)年福岡市生まれ。東京大学大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程修了、教育学修士。現在、神戸大学大学院人間発達環境学研究科・発達科学部准教授。専攻は社会科教育学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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