感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とりもり
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「経営陣の責任を追及すべし」という世論の後押しを受けた検察特捜部による「国策捜査」が、如何に杜撰であるかを訴訟の過程を追うことで明らかにした一冊。訴訟記録を担当弁護士が解説するというスタイルのため、読み易さや網羅性に欠けるものの、十分に事件の論点・経緯は把握できる。前年までほぼすべての銀行が採用しており、当該年度においてもかなりの銀行が採用していた不良債権処理における「税法基準」を「公正なる会計慣行」ではないと言い切ってまで有罪を主張する検察側の態度には空恐ろしさを禁じ得ない。お薦め。★★★★★(星5つ)2011/10/16