内容説明
文京区・音羽で起きた平凡な主婦による2歳女児殺害事件。「心と心のぶつかりあいがあった」「私が犯罪者になったらどうする?」「自分」を見失った母親たちは、今どこに行こうとしているのか…。現代の母親たちに潜む闇、心の危うさを追及した渾身の書き下ろし。
目次
第1章 速報―母親、同じ幼稚園、心と心のぶつかりあい。今、深夜のリビングに、速報ははっきりとした音と現実を、運びはじめていた。
第2章 疑問―事件がお受験とイコールで語られていくことに、強い違和感を持ち、しかもそれはふくらんでいく。
第3章 現場―「ぶつかりあい」というものは、特別、今度の事件の現場だけに起こっているものではない
第4章 公園―何を、どう考えても、美奈子には自分が母親たちの輪に入れない「理由」はわからなかった。
第5章 集団―いったいなぜ、母親たちは集団を作り、そこに固執し、しかもそこから離れられないのだろう。
第6章 迷走―いつの間にか自分を見失い、やがて見失っていることにさえ気づかずに、さらに迷い、がむしゃらに走る母親たちがいる。
第7章 母親―私たちは互いのぶつかりあいを「心」の奥に秘め、「子どものために、仲良しでいなければならない」と思い込んでいたのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiru
21
音羽事件と間違えて読んだけど、事件の真相に迫るというのではなくて、母親の心の闇を解き明かそうとするもの。似たような書物はたくさんあり、音羽事件を引用しても特異性はなかった。この手の本を先に読んじゃうと、子供を産みたくなくなっちゃうかもしれない。。。2017/11/08
アリス
2
子育てを考えてみる一冊です。子ども、「私」、ママ友さんとの関係性がすべてじゃないけど、子どもが幼い間は大きな世界ですね。2014/09/15
Naomi Araki
1
「音羽幼女殺人」の本かと間違えて借りたのだった。1999年のこの殺人事件の頃、お受験、公園デビューなどが流行語で、子供に過剰に教育を押し付ける親や、核家族化し、狭い交友関係の中で苦労するママ達が話題になっていたっけ。親、親戚、近所の人達と大勢で子育てしていた時代と違い、専業主婦として乳幼児を育てるママ達の、逃げ場のない状況はなかなか想像できず、こういう書物が必要だとは思う。2016年の今、子育て環境が進化しているとはとても言い難い。2016/05/07
ゆま
0
音羽事件は導入に過ぎず…。 今から20年前は今よりもっと大変だったのであろう。 今も大変だけど。2021/11/01