出版社内容情報
2024年の大河ドラマの主役は紫式部!
『源氏物語』の裏に隠された秘密とは――。
藤式部(紫式部)は、幼少のころより漢籍に親しみ、物語を綴るようになるも、政変で父が失脚、一家は凋落の憂き目に。しかし、彼女の書く「源氏物語」が藤原道長の目にとまり、中宮彰子に仕えるよう命じられる。喜ぶ藤式部だったが、源氏物語が人気を博すにつれ、道長が権力を握るための深謀に巻き込まれることになり……。
虚実の間を大胆に描き、絶賛された〝極上の宮廷物語〟。第11回日経小説大賞受賞作。
内容説明
藤式部(紫式部)は、幼少のころより漢籍に親しみ、物語を綴るようになるも、政変で父が失脚、一家は凋落の憂き目に。しかし、彼女の書く『源氏物語』が藤原道長の目にとまり、中宮彰子に仕えるよう命じられる。喜ぶ藤式部だったが、『源氏物語』が人気を博すにつれ、道長が権力を握るための深謀に巻き込まれることになり…。虚実の間を大胆に描き、絶賛された“極上の宮廷物語”。第11回日経小説大賞受賞作。
著者等紹介
夏山かほる[ナツヤマカオル]
佐賀県生まれ。福岡女子大文学部卒、九州大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。大学非常勤講師などを経て、2019年、『新・紫式部日記』で第11回日経小説大賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
★Masako★
62
★★★★☆ 紫式部の少女時代から晩年までを描いた作品。紫式部に関するスペシャル番組を幾つか見たり特集記事を読んでいたので、その頃の人物関係等は大体把握した上での読書となり、物語にすっと入っていけた(とはいえ、冒頭の皇統図や藤原家系図は何度も見直したが)。道長の冷徹さや野望の影にある不安や焦燥、源氏物語が、道長の権力を握る為の道具にされることへの紫式部の葛藤等、丁寧に描かれていた。それに加え、中宮・彰子の出産以降は驚きの展開で、ぐっと引き込まれた。歴史的事実に大胆なフィクションを絶妙に絡ませた面白い作品♪2024/02/13
鍵ちゃん
42
藤式部(紫式部)は、幼少の頃より漢籍に親しみ、物語を綴るようになるも、政変で父が失脚、一家は凋落の憂き目に。しかし、彼女の書く「源氏物語亅が藤原道長の目にとまり、中宮彰子に仕えるよう命じられる。喜ぶ藤式部だったが、「源氏物語亅が人気を博すにつれ、道長が権力を握るための深謀に巻き込まれることに。これこそが、来年の大河ドラマの参考になる。雅の中に権力を振るうためにはなんでもする腹黒いところが面白かった。2023/10/24
お涼
21
紫式部が『源氏物語』を書き上げるまでの物語。どこまでが史実通りなのかわからないけれど、きっとこんなことがあったんだろうと思わされた。来年の大河ドラマが楽しみ。2023/04/21
Y.yamabuki
19
藤式部(紫式部)、源氏物語と藤原道長の関係が大胆なストーリーで語られる。藤式部の凛とした姿勢と繊細さに好感が持て、清少納言の登場には楽しくなった。巻頭にある皇統図、摂関家図、紫式部系図は登場人物達の関係、史実を知る助けになって良かった。2023/04/21
きのこきのこ
10
大河よりも大胆な創作ストーリー(賢子のこと)ですが良かった!大河の道長と紫式部の幼なじみ設定よりありかも、と思います。(ドラマは楽しい。)道長が老獪でありながら孤独なところとか、政治利用されそうなところを中宮彰子が式部の思うように書いてというところとか、清少納言があなたは物語を取られないでというところとか、ホントに良い!出てくる和歌もしっくり。源氏物語の栄華を極めた後の人間の儚さと悟りへの流れの解釈もいい。ラスト、清少納言と紫式部が川辺に立つ場面は胸が震えました2024/12/11