内容説明
国後島を間近にのぞむ北海道東部の町、標津(しべつ)。この地を流れる伊茶仁(いちゃに)川の流域は、トビニタイ文化や擦文文化など北方古代文化の住居跡が密集する一大竪穴群地帯だ。豊かなサケ・マス資源を求めてこの地に生きた北方文化の交錯と盛衰の軌跡を描く。
目次
第1章 知床山麓の大竪穴群
第2章 北方の古代文化
第3章 トビニタイ文化をさぐる
第4章 擦文・トビニタイ文化の交錯
第5章 アイヌ文化へ
第6章 標津遺跡群の保存の歩み
著者等紹介
椙田光明[スギタミツアキ]
1951年、東京都生まれ。立正大学文学部史学科(考古学専攻)卒業。元標津町ポー川史跡自然公園学芸員、園長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
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東北以南が弥生時代になったあとも北海道では縄文時代が継続していて、それを続縄文時代と呼ぶのだとなんとなく思っていた。それが完全な勘違いであることに「縄文の思想」(https://bookmeter.com/books/12402424 )を読んで初めて気づく。そして続縄文時代に続く擦文時代には、道央・道南の縄文系の人々と道東のオホーツク人との邂逅によってアイヌ民族の基礎が築かれていく。一方で、長らく交易を続けた倭人との関わりが、本書ではクナシリ・メシリの戦いで締め括られることに、暗澹たる気持ちにさせられる2021/11/07