内容説明
精神を優位に置くアメリカン・ルネサンスの時代に、身体や情動はどのように意識され、受けとめられたのか。ホーソーン、メルヴィル、ホイットマンらによる身体描写や、理性の背後に蠢く不穏なノイズとしての情動へのまなざしに着目。アフェクト理論を援用し、アメリカ文学史に新たな光を照射する。
目次
第1部 解き放たれる身体(ポーの見たサイボーグの夢;呪術師の杖―リディア・マリア・チャイルド『フィロシア』における魂の再生手術;電気と磁気の身体論―十九世紀アメリカ電磁気文化とマーガレット・フラーのフェミニズム戦略;エマソンの幸福薬―自然と偶然について;エイハブの脚―メルヴィルにおける身体論の可能性)
第2部 知覚とリズム(情動の響き―「ブルックリンの渡しを渡る」にみるホイットマンの欲望;電信とタイプライターの音楽と駆動する情動―メディア・テクノロジーに囚われしジェイムズ;流動する集団的パロール―『ブレイク』における身ぶりと音楽;「ぼくの親戚、モーリノー少佐」における笑い)
第3部 情動の政治学(扇情のアダプテーションと情動調律―歴史ロマンスとしての『牧師の求婚』;「バートルビー」に潜む北米先住民―空間攻防とアメリカの負の遺産をめぐって;『緋文字』の時代とチリングワースの情動;不安の感染―「ベニト・セレーノ」における政治と情動;特別寄稿 「トーン」(抄訳)―『醜い感情』より)
著者等紹介
竹内勝徳[タケウチカツノリ]
1960年生まれ、鹿児島大学・教授
高橋勤[タカハシツトム]
1958年生まれ、九州大学・教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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