内容説明
北関東のド真ん中、「ライブハウスもクラブもレコード屋もない」埼玉県・深谷市。この片田舎で結成されたヒップホップ・グループ“SHO‐GUNG(ショーグン)”は、自分たちの曲での初ライブを計画中。しかし、世界に言葉を届けるラッパーになりたいと思いながら仕事もせず実家暮らしの“イック”と彼の仲間たちは、周囲から完全に馬鹿にされていた。そんな時、東京でAV女優として活躍していた高校時代の同級生・千夏が地元に帰ってくる。仲間たちに生じる微妙なすれ違い。ほんとにライブはできるのか?ここから東京、そしてアメリカまでって、いったいどれだけ離れてるんだろう?全編に溢れるおかしさとせつなさで’09年度邦画界を席巻した伝説的インディーズ・ムービーに、劇中では描かれなかった背景やサイドストーリーを大幅に加え、監督自ら、魂の小説化。
著者等紹介
入江悠[イリエユウ]
1979年神奈川県生れ。埼玉県育ち。日本大学芸術学部映画学科卒業。2009年『SRサイタマノラッパー』でゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター・コンペティション部門グランプリ、韓国プチョン国際ファンタスティック映画祭最優秀アジア映画賞、第50回日本映画監督協会新人賞受賞。『SRサイタマノラッパー』で小説デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ツキノ
4
おもしろかったYO☆最後のシーンがとてもいい。これは、映像も観なければ!!!2010/08/16
辺野錠
2
ドラマ版が印象的だったので最初の映画のノベライズを読む。地方で漫然と過ごすしかない閉塞感が胸に迫るものがあった。ここからドラマ版の最終回とそこでのラップに繋がるのかと思うと感慨深い。そのラストシーンもこれの一場面をなぞったものだったのねと驚いた。2019/08/18
真夏
1
面白かった!映画も好きだけど小説もいい。ダメ〜な感じの生活とか高校時代の話とかも詳しく書かれているので、ラストのラップシーンあたりは胸にきます。2010/12/23
コリ
1
クライマックスのページが本当の「活字」として心をえぐった、稀有な小説だった。2010/07/16
ジュンケイ
0
映画未見なんだけど、読んでみた。ラップを文字で読みながら、自然のリズムよんでしまう。詩じゃないんだよ、リリックなんだよ。田舎でくさる青春は普遍の文学。後に映画「太陽」を監督する入江悠の布石がここに合った。2016/06/12