内容説明
風采があがらず、しょぼくれて冴えない侍―亀無剣之介は、ちぢれ毛の髷と名前のひと文字から、ちぢれすっぽんと呼ばれる北町奉行所の名物同心。その風貌とおどおどとした言動は、奉行所の同僚のみならず町民のあいだでも馬鹿にされているが、じつのところ頭脳明晰であり、剣は免許皆伝の腕前。見かけによらぬ、切れ者同心であった。ある日、沢木屋の女主人・おさよは、やむをえぬ事情から能登屋の弦蔵を殺してしまう。考えぬかれた殺しの計画は完璧で、おさよは、奉行所の探索の手からうまく逃れたかにみえたが…。話題となり重版をかさねた大傑作シリーズの新装版・第一弾!
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。93年『黒牛と妖怪』で第一七回歴史文学賞を受賞。時代・歴史・ミステリなど、多岐の分野で活躍中。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オーウェン
49
時代劇版のコロンボと言って差し支えない。 うだつの上がらなそうな感じであり、いつも髷がちちぢれ毛になっている亀無剣之介。 だが実は切れ者の同心であり、罪人はその容姿に騙されて追い詰められていく。 最初は必ず罪人側の描写で始まり、そこから罪を逃れるため施した工作。 それを剣之介が解き明かしていく過程が心地よい。 また志保との仄かな関係も巻が進むと進展はあるのだろうか。2023/04/26
はつばあば
42
あらまっ。この方も「新地奉行 太田太田太」を書かれた山田剛さんや私と同じお年じゃないですか(^^♪。しかも子連れ同心を描かれたオノ・ナツメさんの本とタイプが似ています。風采の上がらないしょぼくれた?いえいえ人は見かけで判断してはいけません。この頃夕方BSでコロンボが放映されてるんですよね。このコロンボみたいにしつこくないのがいい。悪い奴を殺めた犯人や子供の喧嘩に親が出て・・なんてあまりいい話はないけれど「死神さん」が言ってましたやん「逃げ得は許さない」って。刑事も同心も心を鬼にして犯罪者をお縄にするのです2022/09/17
kei302
39
倒叙ミステリ時代小説同心物。風野さんの2006年の作品。見た目は頼りなさげ、事情聴取対象の被疑者からは初見で侮られがちだが、持ち前の粘りと人柄で事件を次々解決する。う―ん、旦那、コイツは見逃してやっておくんなさいまし。そんな事件も。2023/11/24
つめ
0
見逃してやればいいのにと思うような下手人ばかりだった。主人公の同心を引き立てるためなんだろうけど、後味の悪い話ばかり。このシリーズを読むのはやめておきます。2020/04/21
onakagayowayowa
0
優しい主人公だった。