出版社内容情報
難解とされるコフートの理論であるが,表題に「入門」とあるとおり,本書は自己心理学に関する翻訳書の中では他に類を見ないほどわかりやすく,自己心理学の基本概念から,実際の治療実践までが明快にまとめられた,優れた概説書であり臨床書である。
現代は自己愛の時代と言われている。不登校や引きこもり,キレる若者への対応にも,自己愛の傷つきと自己愛憤怒の視点が必要であろう。また全世界を巻き込んでの問題となっているアラブとユダヤ人の葛藤,そしてユダヤ人を通してのアラブとアメリカの葛藤も,同様の視点を“グループの憤怒”までに広げたコフートの理論から見直せば,平和に向けての糸口を探す際に,重要な示唆を与えてくれる。
こうした時代に,われわれはもっと自己愛の諸相,自己愛の問題を深く知り,真剣に考える必要がある。自己愛に焦点を当てた自己心理学の観点は,現代を読み解き,臨床に向かう際の非常に大切なセンスとなるであろう。
内容説明
難解とされるコフートの理論であるが、表題に「入門」とあるとおり、本書は自己心理学に関する翻訳書の中では他に類を見ないほどわかりやすく、自己心理学の基本概念から、実際の治療実践までが明快にまとめられた、優れた概説書であり臨床書である。現代は自己愛の時代と言われている。不登校や引きこもり、キレる若者への対応にも、自己愛の傷つきと自己愛憤怒の視点が必要であろう。また全世界を巻き込んでの問題となっているアラブとユダヤ人の葛藤も、同様の視点を“グループの憤怒”までに広げたコフートの理論から見直せば、平和な解決に向けての糸口を探す際に、重要な示唆を与えてくれる。こうした時代に、われわれはもっと自己愛の諸相、自己愛の問題を深く知り、真剣に考える必要がある。自己愛に焦点を当てた自己心理学の観点は、現代を読み解き、臨床に向かう際の非常に大切なセンスとなるであろう。
目次
第1部 自己の心理学(イントロダクション:歴史的展開;全体的オリエンテーション:人間の内的生活;自己心理学の基本概念;自己と自己対象;自己対象関係障害:自己の障害;自己愛憤怒)
第2部 治療(場面設定;原則;治療プロセス;自己対象転移;逆転移の問題;分析における現実;終結)
著者等紹介
安村直己[ヤスムラナオキ]
1986年、大阪教育大学大学院教育学研究科修士課程修了。臨床心理士、JFPSP認定精神分析的心理療法家。現在、甲子園大学心理学部現代応用心理学科教授
角田豊[カクタユタカ]
1991年、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程教育方法学専攻(臨床心理学)修了。博士(教育学)、臨床心理士、JFPSP認定精神分析的心理療法家。現在、京都教育大学大学院連合教職実践研究科教授・京都産業大学文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。