出版社内容情報
“マスターセラピスト”ミニューチンの臨床事例集。家族療法の導師による介入の真髄を四つのステップにわけて解説する。
サルバドール・ミニューチン50年分の理論と技法が凝縮された家族・夫婦面接10ケースを本書を通して体験できる。
研ぎ澄まされた観察と介入によって,その場・その瞬間に活用できるあらゆるものを変化の礎へと方向づける構造派家族療法の臨床は,クライアントの過去の探求を統合した4ステップのモデルへと進化した。
しかしこの進化は不確実性の時代におけるセラピーのマニュアル化に迎合するものではない。本書は「人間的出会いの経験」であるセラピーが,むしろ人と,人が目的に向かう道筋に孕まれる複雑さと多様性をこそ尊重しながら,家族がもつ可能性を解放する過程を鮮やかに記録している。10章のウェイ=ユン・リーの面接は,共通のモデルを通してセラピストの個性が〓作品(ルビ:ケース)〓にいかに反映されるかを如実に示している。
自ら作り上げた理論と技法の殻を破り進化を続けるミニューチンの驚くべき介入を通して,読者は国も文化も異なる来談家族へのしたたかでスリリングな挑戦の数々を目の当たりにするだろう。
日本語版への序
まえがき
第1章 イントロダクション:家族とカップルのアセスメントのための4ステップモデル
第1部 問題を抱えた子どもとその親
第2章 親役割をとる子ども
第3章 葛藤を抱えた夫婦,もしくは三角関係化された子どもたち
第2部 ステップファミリー
第4章 嘘つきだったティーンエイジャー
第5章 二者関係を三つ足しても家族全体にはならない
第3部 相補的カップル
第6章 成人女性の激越性うつ病
第7章 手がいつも汚れている女性
第4部 心身症の家族
第8章 エディプスと胃痙攣
第9章 拒食症の中国人青年:同じ地図,異なるセラピスト
第5部 家族と社会福祉事業
第10章 三世代の女性たち
第11章 薬物依存の居住型療養と家族
内容説明
サルバドール・ミニューチン50年分の理論と技法が凝縮された家族・夫婦面接10ケースを本書を通して体験できる。研ぎ澄まされた観察と介入によって、その場・その瞬間に活用できるあらゆるものを変化の礎へと方向づける構造派家族療法の臨床は、クライアントの過去の探求を統合した4ステップのモデルへと進化した。しかしこの進化は不確実性の時代におけるセラピーのマニュアル化に迎合するものではない。本書は「人間的出会いの経験」であるセラピーが、むしろ人と、人が目的に向かう道筋に孕まれる複雑さと多様性をこそ尊重しながら、家族がもつ可能性を解放する過程を鮮やかに記録している。10章のウェイ‐ユン・リーの面接は、共通のモデルを通してセラピストの個性が作品にいかに反映されるかを如実に示している。自ら作り上げた理論と技法の穀を破り進化を続けるミニューチンの驚くべき介入を通して、読者は国も文化も異なる来談家族へのしたたかでスリリングな挑戦の数々を目の当たりにするだろう。
目次
イントロダクション―家族とカップルのアセスメントのための4ステップモデル
第1部 問題を抱えた子どもとその親
第2部 ステップファミリー
第3部 相補的カップル
第4部 心身症の家族
第5部 家族と社会福祉事業
著者等紹介
ミニューチン,サルバドール[ミニューチン,サルバドール][Minuchin,Salvador]
1921年アルゼンチン生まれの児童精神科医。構造派家族療法の創始者にして世界屈指のマスターセラピスト。摂食障害の治療によって家族療法の効果を一躍全米に知らしめ、家族介入の諸技法の開発のみならず、セラピストの訓練・スーパーヴィジョンの体系化にも大きな足跡を残している
ニコルス,マイケル・P.[ニコルス,マイケルP.][Nichols,Michael P.]
ウイリアム&メアリー大学心理学部教授。著書“Family Therapy:Concepts and Methods”は9版を重ねる家族療法の基本テキストである
リー,ウェイ‐ユン[リー,ウェイユン][Lee,Wai‐Yung]
アメリカ夫婦家族療法学会認定スーパーバイザー、香港大学助教授、香港大学家族研究所の創設者であるとともに、ニューヨークのミニューチン家族センターのスタッフも務める
中村伸一[ナカムラシンイチ]
順天堂大学医学部卒。1989年より中村心理療法研究室を開設し、家族療法、夫婦療法、個人療法をおこない現在に至る。夫婦・家族療法のワークショップやセミナーを開催。個人およびスモール・グループでのスーパービジョンも継続しておこなっている。日本家族研究・家族療法学会会長、American Family Therapy Academy会員、アジア家族研究家族療法協会(CIFA)評議委員、包括システムによる日本ロールシャッハ学会理事、日本思春期青年期精神医学会運営委員
中釜洋子[ナカガマヒロコ]
東京大学教育学研究科博士課程修了。東京都立大学助教授、上智大学助教授を経て、東京大学大学院教育学研究科教授(教育学博士)。専門は臨床心理学、なかでも家族臨床の実践的研究、教育研修に携わる。日本家族心理学会常任理事、編集委員長。日本家族研究・家族療法学会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。