内容説明
当事者としての民衆は自らが抱える、どのような諸問題を研究課題とするのであろうか。生活者としての当事者が直面する諸問題は、個別的、具体的な状況の中で発生し、展開している。よって民際学の研究も具体的な人、状況、機関、場所、組織などに基づいた具象性の強い内容となる。
目次
当事者の学問としての民際学の可能性
第1部 民際学の方法論(越境する民際関係―当事者の科学と人びとのくらし;土法科学と生活者;河上肇と民際学;マーケティングの現在から見た民際学の課題)
第2部 民際学と人権(外国人の人権と民際学;ケアと民際学―高齢中国帰国者へのケアネットワークの形成;大学と大学中退者の貧困の関係をめぐる民際学的考察―ある大学中退者の聞き取りを通じて)
第3部 民際学と地域(京都における民際学的実践;住民と協働する未来学的実践―パラオにおける気候変動への対応から;志布志湾開発と住民運動―民際学の視点から見る研究者と住民運動の関係)
第4部 民際学と環境(環境・開発・民際学;ツバルと琉球による民際交流の可能性―島嶼民として海面上昇問題にどのように取り組むのか)
著者等紹介
松島泰勝[マツシマヤスカツ]
1963年琉球・石垣島生まれ。石垣島、南大東島、与那国島、沖縄島にて育つ。那覇高校、早稲田大学政経学部卒業後、早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。博士(経済学)。在ハガッニャ(グァム)日本国総領事館、在パラオ日本国大使館において専門調査員として勤務。東海大学海洋学部准教授を経て、龍谷大学経済学部教授、NPO法人ゆいまーる琉球の自治代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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