内容説明
政官財界のトップ・リーダーとして日本を支えた“短現士官”は、何を考え、どのように戦ったのか。難関を突破して、海軍二年現役士官となり、駆逐艦「照月」に主計長として乗り組み、南太平洋、第三次ソロモン、ガ島輸送作戦に奮戦す。乗艦沈没後、大本営海軍報道部で活躍した熱血士官が描く迫真の太平洋海戦記。
目次
序章 別れの宴
第1章 積乱雲の彼方―南太平洋海戦(駆逐艦「照月」は走る;「敵艦見ゆ」 ほか)
第2章 南溟の墓標―第三次ソロモン海戦(挺身攻撃隊、南へ;怪しき火の饗宴 ほか)
第3章 最後の炎―ガ島輸送作戦(敵潜水艦に気をつけろ;将官旗、翻る ほか)
第4章 憂国の至情―大本営海軍報道部(才人・平出英夫大佐;四万聴衆を前にして ほか)
終章 鎮魂の祈り
著者等紹介
高戸顕隆[タカドアキタカ]
1915年、熊本県に生まれる。伝習館中学、福岡高校を経て、1941年、京都帝国大学経済学部卒業。1942年、海軍主計中尉に任官。南太平洋海戦、第三次ソロモン海戦、ガ島輸送作戦に従事。職歴:住友本社入社、住友重機常務を経て住友重機械エンバイロテック株式会社社長。2011年7月、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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富士さん
4
戦中のアニメ制作の手がかりがないため、海軍情報部の情報が多少でもないかと思い読んでみましたが、当たりでした。名簿的な資料しか知らなかったので、部員それぞれの担当、責任者の個性がわかり、目的は果たせませんでしたが、貴重な資料でした。陸軍側で同じ雑誌担当だったSの転出を主導したエピソードは興味深い証言であり、その中でもSは決して憎むべき人ではなかったことが記されてあって、著者の記述は誠実なものであると感じました。戦場のエピソードの方が受けはいいのでしょうが、もう一章でも情報部時代の記述があって欲しかったです。2021/07/08