出版社内容情報
実は、不便は好い!
現代のビジネスや社会は,何事につけても便利・速さ・効率を中心としている.こういう現代社会に対して,不便であるがゆえに生み出される創造力や注意力,思いやりといったことの重要性をもう一度見直すために「不便益」という考え方を、著者らは提案している.
不便だからこその効用を不便益と呼び,不便益という発想を取り入れることでこれまでになかった新しいモノやサービスを追及する.
本書はこれまでに取り組まれた「不便益」の事例を紹介しながら,不便益とはなにか,不便益をもたらすシステムのデザイン方法とは,を探求する.テクノロジーを否定し昔の生活に戻ろうという内容でなく、ITやAIなどの最新テクノロジーと不便を組み合わせることで新たな知財・サービスを生み出そうというものである.IT技術者や、システムデザインの研究者、技術者必読の書である。
目次
第1章 不便益システムデザイン
第2章 自動車の運転支援
第3章 義手のデザイン:人に関わるモノのあり方を考えるために
第4章 発想支援
第5章 コミュニケーション場のメカニズムデザイン:書評ゲーム「ビブリオバトル」のデザインを読み解く
第6章 博物館の学びを支える手がかりのデザイン
第7章 “弱いロボット”と人とのインタラクションにおける不便益
第8章 観光と不便益
第9章 妨害による支援
第10章 「結びの科学」に向けて
第11章 生命システム論から不便益を捉えなおす:不便益の実在証明
著者等紹介
川上浩司[カワカミヒロシ]
1987年京都大学工学部卒業。1989年京都大学大学院工学研究科修士課程修了。1989年岡山大学工学部助手。1993年京都大学博士(工学)。1998年京都大学情報学研究科助教授。2007年京都大学准教授。2014年京都大学デザイン学ユニット特定教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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