内容説明
新型インフルエンザは実在しない。生活習慣病もがんも実在しない。そもそも「病気」とは何か?それが「実在しない」と考えることでどのような新たな地平が開けるのか?構造構成主義の立場から、感染症臨床の第一人者があらゆる「病気」の診断・治療の実態を明らかにしながら、「病気」という現象を読み解く。
目次
感染症は実在するか
病院の検査は完璧か
感染症という現象
なぜ治療するのか
新型インフルエンザも実在しない
他の感染症も実在しない
メタボ、がん…感染症じゃない病気も実在しない
関心相関的に考える
科学的に、本当に科学的に考えてみる
医者は総じて恣意的な存在
価値交換としての医療の価値
病気という現象を見据えて、しなやかに生きていくために
著者等紹介
岩田健太郎[イワタケンタロウ]
1971年、島根県に生まれる。島根医科大学卒業後、沖縄県立中部病院、ニューヨーク市セントルークス・ルーズベルト病院、同市ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院を経て、2008年より神戸大学都市安全研究センターおよび医学研究科教授。専門は、内科全般、感染症など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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veatrice
3
岩田健太郎は、ついにここまで言いきれるようになった。日本の医療崩壊を救える男。健太郎がんばれ!2009/12/02
RUSTY RAZOR
2
病気とは現象であり実体がない(生命がそもそもそうなのだが)。それを理解し、前向きに生きようとする本。 やはり医学とは、実際的であるが故に最後は生き方の問題に帰着する。2015/06/29
tak
2
なるほどな内容。医療は、医師のものか患者のものか、という議論すら越えてるよ。医療はグローカルの代表みたいなものだからこそ、こういう考察が重要。2012/12/02
Dr.Pooh
2
医療者だけでなく,むしろ患者側,非医療者にある種の覚悟を迫る一冊。2009/12/15
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
1
「問題は、そのような恣意的な存在でしかない病気を実在すると信じ込み、そしてそれを『病気があるから』という理由で『治療しなければならない』と決めつけている態度にあると思います。」病気がなぜ恣意的に決定されるのかその実態が書かれている。「気持ちや事情はわかる」としつつ、各種論文や医療事情の問題点を紹介している。核心に触れるような意見が書かれているとも思えず、文章も誤解を避けるための言い訳が目につく慎重派かな。結論は読者が考えてね、そのための情報開示はしましたという本なので、そのつもりで読めば面白いと思った。2016/07/11