出版社内容情報
映画製作の現場において撮影シーンの様子や内容、物語の?ぎなどを管理する役目、スクリプター。
監督にも物怖じせずに、「つながりません」と告げることで有名なスクリプター真野韻は、様々な現場で見逃されようとしている事件、人間の欲と業、そして罪と謎を暴き続ける。
辿り着いた先に待っていたのは……。
『教場』の著者が描く連作短編ミステリーの傑作!
内容説明
映画製作の現場において撮影シーンの様子や内容、物語の繋ぎなどを管理する役目、スクリプター。監督にも物怖じせずに、「つながりません」と告げることで有名なスクリプター真野韻は、様々な現場で見逃されようとしている事件、人間の欲と業、そして罪と謎を暴き続ける。辿り着いた先に待っていたのは…。『教場』の著者が描く連作短編ミステリーの傑作!
著者等紹介
長岡弘樹[ナガオカヒロキ]
1969年山形県生まれ。筑波大学卒。2003年「真夏の車輪」で第25回小説推理新人賞を受賞。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。13年に発売された『教場』が第11回本屋大賞、第14回本格ミステリ大賞(小説部門)の候補作となり、ベストセラーとなる。『波形の声』で第17回大藪春彦賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAOAMI
14
映画撮影現場に携わるスクリプターである韻。彼女が前後のつながりをチェックし些細な違いを見つけると「つながりません」と一言。撮影現場に恐慌をもたらす。そこにある人間の悪意ですら見逃さない。キャラ的には超がつくほどの映画オタクでもあり、随所にちりばめられる「つながらない」ネタは読んでいて面白いく、韻の鋭い洞察力は事件や隠蔽を崩す解決にだけではなく、自らの殺意にも転化されるところがニューヒロイン。彼女の奥底を周辺人物が解き明かすシーンもあり。探偵と犯人がグルグル入れ替わるような構成が巧みで読み応えとなっている。2024/07/25
left7
9
今まで読んだ長岡さんの作品で一番自分に合わなかったです、正確に言うと今まで合わなかった作品がなかったので初めて合いませんでした。随所に長岡さんらしさはあるのですが、それが作品の世界とマッチしてない感じが最後まで拭えませんでした。主人公の職業がかなりレアで私は不勉強故その存在を知りませんでしたし、その職業の観点から気になるところを軸に進む話もマニアックに思えるだけで残念ながら共感や納得ができませんでした。それでも長岡さんの作品は期待できるので今後も読んでいきます。2025/01/04
eyemu
8
スプリクターという職業を存じ上げず、申し訳ない。 (話の中の中学生レベルw) 最後、たぶんつながったんだね。 なんだかんだ、ちゃんと解決してる章がなくて。 解決するのが目的でないから、なんとなくフワッとしててちょっと投げ出された感じが強い。 ストンと腑に落ち……【ない】感じ。2024/07/26
時代
7
地味だね。ちょっと物足りない△2024/06/20
KG
6
おや?と思った。あのことに触れないで話が終わるということは、謎はなかったのかと。スクリプターのことは初めて知った。字面から脚本家だろうと思ったら、助監督とは別にこんな仕事があったとは。仕事柄なのか性分なのか、韻のように細部に気が行き届く人の存在はとても助かる。一緒に仕事をしたくなる監督が複数いることから、嫌味のない性格でもあるのだろう。本心が表面化しないので、彼女が何を考えているかは分かりにくい。だからこそ最終章でそれまでの行動原理めいたものを知ったとき、やはりあれは謎で作者は長岡弘樹だったと思い出した。2025/02/15