内容説明
両替商分銅屋の用心棒・諌山左馬介が訪れたとある大名の下屋敷では、秘密裏に賭場が開かれていた。初めて鉄火場に足を踏み入れる左馬介。分銅屋仁左衛門に、いなくなっても誰も気にしないような男を博打場から調達してこいと、指示を受けてのことだ。一方、田沼意次の幕政改革を手伝う分銅屋のもとに、水戸徳川家の留守居役・但馬久佐が供を連れ、借財の申し入れにやってくる。威光を振りかざし、腹に一物ありそうな但馬を、分銅屋は…。金に窮する武家、幅を利かせる豪商。金の世はもうすぐそこなのか!?続々重版大人気、シリーズ第十作。
著者等紹介
上田秀人[ウエダヒデト]
1959年、大阪府生まれ。大阪歯科大学卒業、歯科医師。97年に「身代わり吉右衛門」で桃園書房主催第20回小説クラブ新人賞佳作、2010年に単行本『孤闘 立花宗茂』(中央公論新社)で第16回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
92
日雇い浪人生活録10作目 2020.11発行。字の大きさは…小。 親の代からの浪人・諫山左馬介を通して江戸時代後期の「お金」について書いた物語です。 前作の会津藩は、幕府からお手伝い普請(幕府の工事を、会津藩の負担で請負工事)を命ぜられて、その撤回のために幕府の老中方に渡す賄賂三千両を分銅屋から借ります。その過程で、会津藩の家臣を左馬介が鉄扇で手を折ってしまう。ここでまた、左馬介は恨みを買います。前作で出て来た鐚銭(粗悪な銭)が、千住宿に大量に出回ります。🌿続く→2021/01/24
とし
72
日雇い浪人生活録「金の美醜」 10巻。分銅屋仁左衛門の決意「金で武士というものを潰したい」に諫山左馬介味方すると宣言しましたね、成就の約束は鉄扇術の道場の設立とは良いですね・・・そろそろ完結かな。2020/12/05
Atsushi Kobayashi
22
読むのですが、1/3ぐらいは過去の資料やら脱線やらの状態です。 一度、しっかり時間を取って、毎月刊行を諦めたらいいのに、と思います。2020/11/16
mm
14
このシリーズを読み始めたのは偶然なんだけど、ここまできたらもう完結するまで読むわよ。多分、ここからは残りの方が少ないと思う。金の価値を定義するのは難しい。金を稼いだことのない人間に金の価値はわからないというけど、金を稼げば価値が分かるのかと言えば、それも違うような。。。2022/04/03
蕭白
10
サクサクっと読了。面白いシリーズに出会えました。終着点が読めないので、先の展開が楽しみです。2020/11/20