出版社内容情報
立野は自分の無くしたもののために、別れた家族のいるN市に戻る・・・。待望のシリーズ第8巻
内容説明
三年前に別れた妻・和子に呼び出され、立野良明は前妻と息子が住むこの港町にやって来た。和子が借金で困っている事、その借金に法外な利息が付いている事を知った立野は、弁護士のキドニーへ相談を持ちかけた。しかしこの件が元となり、立野は凄惨な事件へと巻き込まれていく。一方この街の酒場「ブラディ・ドール」のオーナー・川中は、立野の事件が火種となり、大きな抗争へと発展していく中、背後に潜む黒幕の影を捉えた―。大好評シリーズ第八弾!!
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年、佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で日本冒険小説協会大賞、吉川英治文学新人賞受賞。85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞、07年『独り群せず』で舟橋聖一文学賞、10年に日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝』全15巻で毎日出版文化賞を受賞。13年紫綬褒章を受章。16年菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
138
またN市に男がやってきた。前妻と息子が住むこの港町。その名は立野良明。その前妻の借金の問題に、キドニーが絡み、そして秋山、もちろん川中も巻き込まれる。事件は凄惨に、そして抗争となる。背後に潜む黒幕、かなりの大物。これまでにない争い、これまでに登場した者達、ほぼ巻き込まれる。N市はどうなるんだ。川中、キドニー、秋山達が黒幕に挑む。キドニー、持病を抱えながら、なぜそこまでやれるのだ。男達の激しい抗争の中、家族とは何か、親子とは何か、男の生き様とは何なのか。また北方謙三から学んだぜ。2024/08/27
KAZOO
103
シリーズ8作目。今回の語り手はスーパーのオーナーで別れた妻と息子のいるN市にやってきて借金がらみの話からとちの権利証をめぐってのごたごたに巻き込まれます。前回出てきた巨悪が今回も絡んで最後は妻子ともに死んでしまいます。ハードボイルドなので死はしょうがないのですがやりきれないですね。2018/09/08
おしゃべりメガネ
76
シリーズ第8弾。いよいよクライマックスへ着々と近づいてきてます。本作も相変わらず、なかなかショッキングな展開。本作の主人公はスーパーを経営する「立野」。これまでの作品からの'人員整理'もあり、シリーズ当初とは結構違った顔ぶれに。三年前に別れた妻「和子」から連絡を受けた「立野」は、彼女が借金に困っているコトを聞き、「キドニー」へ相談します。ここからが『ブラディ』シリーズお馴染みの展開が始まり、ドタバタ騒動へ。何気に「安見」ちゃんがしっかりと成長してるのが、嬉しくなります。「下村」の扱いが良くなってますね。2024/09/18
優希
39
N市を訪れると「男」になるのですね。立野もまた例外ではありません。ただ、「男」になるからこその悲しさがのしかかってくるのだと思います。だから事件に巻き込まれるのかもしれませんね。背後の黒幕の影に鳥肌が立ちました。2022/06/24
サン
17
ブラディドールシリーズ8冊目。別れた妻からの連絡で街に来たスーパーのオーナー立野。山のように静かに待てる男。土地の権利書を巡って大河内と対立する。前作もそうだけど、ラストあたりの展開が辛い。2018/08/26