内容説明
「奥さんに男ができたんだ」―六十六歳の大学教授・治夫は、元教え子の愛人にそう断言され、最近きれいになり、性に対して積極的になってきた妻に、疑いと嫉妬を燃やし始める。一方、五十九歳の妻は、四十年ぶりに同級生の男性と出会い、恋におちる。夫婦は十年ぶりにセックスに挑むのだが…。初老の男女の性と生を、リアルに切実に描き、各紙誌で大絶賛された恋愛長篇、待望の文庫化。
著者等紹介
広谷鏡子[ヒロタニキョウコ]
1960年香川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。95年、「不随の家」で第19回すばる文学賞を受賞
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