ハルキ文庫<br> 花狂い

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花狂い

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  • サイズ 文庫判/ページ数 251p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784758431729
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「奥さんに男ができたんだ」―六十六歳の大学教授・治夫は、元教え子の愛人にそう断言され、最近きれいになり、性に対して積極的になってきた妻に、疑いと嫉妬を燃やし始める。一方、五十九歳の妻は、四十年ぶりに同級生の男性と出会い、恋におちる。夫婦は十年ぶりにセックスに挑むのだが…。初老の男女の性と生を、リアルに切実に描き、各紙誌で大絶賛された恋愛長篇、待望の文庫化。

著者等紹介

広谷鏡子[ヒロタニキョウコ]
1960年香川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。95年、「不随の家」で第19回すばる文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

85
「読書メーター」のお陰で出会えた一作。大学教授の夫66歳・妻59歳、40年連れ添った熟年夫婦の物語である。ある日、夫は10年ぶりに妻への欲情にかられます。(その間、夫には元教え子の恋人がいます)夫の身勝手さに男のエゴが垣間見えます。でも、この物語は、これで終わりません。「近頃、妻が変った。男の気配を感じるな」と夫が違和感を覚えます。このどっちもどっちの夫婦に侘しさを感じます。さめたこの夫婦は、まさに「花狂い」の「似たもの夫婦」である。こちら再読の気力は残ってないが、読んで良かった面白い小説でした。2022/04/15

桜もち 太郎

13
大学教師の夫治夫67歳、元教え子である妻ふみ子60歳。老いと性がテーマの物語かな。治夫には不倫相手がおり(これも教え子、どんな教員やねん)、スケベの限りを尽す。この時点では治夫優位の展開だが、ふみ子が北海道に住む父親の介護に通い、同窓会で再開した堀田とちちくり合うところから立場は逆転する。帰省するたびに綺麗になるふみ子、敏感に感じ取る治夫。治夫は不倫相手から、朽ちていく匂いがするとすてられ、妻からも相手にされず、転がり落ちていく。と、コミカルな感じで書いたが結構内容は切実だ。哀れな夫と晴れやかな妻の物語。2023/11/27

舟華

6
この登場人物たちを「年齢が受け付けない」とかではなくて「生理的に受け付けない」というレベルで受け入れることができなかった。男の勝手な言い分と狡さと弱さが醜く光る。20年ほど前の著作ではあるけれど、THE昭和。これから例えば私が結婚して60代になったらこの小説が美しいと思えるのだろうか。全くそう思えない。それでも終わり方がそこまで嫌いではなかった。読む人によって違った未来を描くのだろう。2020/12/18

☆(´(ェ)`)☆

4
久々に読みにくい本でした。挫折しかけたが何とか読了。テレビで良いと言ってた気がするが…私には合わなかった(T^T)老年の《性と生》の話だが私にはエロオヤジ話に感じてしまった。所々、ふみ子さんに共感できる部分もあったが………50、60代になって読んだら違うのかな?2017/01/27

しゃま

4
ううむ、迫力。。。夫婦の気持ちのすれ違いを見事に描いてる。女性作家ならではの切り口かも。2012/02/21

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