内容説明
豊かな「形」が織りなす、装飾の花園へ。古代文明からゴシック、ロココ、アール・ヌーヴォー、アール・デコなど、18の様式における装飾・文様の歴史と構造、74のモチーフを詳しく解説。
目次
第1章 装飾文様の歴史 様式の構造と伝播(エジプト―永遠なる形;メソポタミア―生成し、連続する文様;ギリシア―唐草の誕生 ほか)
第2章 装飾文様の形―イメージのカレイドスコープ 形のことば事典(幾何学文様;植物文様;動物文様 ほか)
第3章 装飾文様の展開―そのさまざまな舞台(唐草文の旅―シルクロードのロマンス;迷路文―文様から神話へ;桂頭装飾―建築装飾の中心 ほか)
著者等紹介
海野弘[ウンノヒロシ]
1939年生まれ。早稲田大学文学部ロシア文学科卒業。出版社勤務を経て、幅広い分野で執筆を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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Mijas
63
孔雀文様の装丁が美しい。エジプト、メソポタミア、ギリシャ、ケルト、ルネサンスから近代まで歴史を辿りながら装飾の美術を紐解く。モザイク画、ステンドグラス、絵画、建築の他、家具や食器、ファブリック、レース、アクセサリーなど美しい写真に見入ってしまう。印象的だったのは、ロシアの伝統的な文様で装飾されたイコン、フランス製真珠と金箔のレース文様の装飾扇。美とは人間の技でもある。装飾という美の領域は広く、奥深い。モリスのデザインが好きなので、植物文様の解説が興味深かった。ヴィクトリア&アルバート美術館に行きたくなる。2016/05/26
neimu
45
独身時代と違って世界を気ままに歩くなんてことが出来なくなってから、美術館や博物館はますます大切な異空間となり、本の世界もまた然り。風邪で熱にうなされ、体の自由が効かなくなった時ほど広げたくなるのが本の世界。それも異国情緒や歴史を感じさせるモノが恋しくてたまらなくなる。一瞬一時その中に身を置いて、ささやかなタイムトリップ、海外旅行。蘊蓄のナカに、かつて学んだユング心理学、シンボル、象徴を見出してあれこれ考えるのも楽しい。煌びやかな装飾と文様の中に小学生の頃にはまった百科事典のカラー写真を見出してしまう夜。2015/06/02
Kikuyo
22
パラパラパラ眺めたり、説明文を読んだりゴージャスで美しい文様を堪能できてとても楽しめる。幾何学文様、植物、動物文様など詳しく解説されており博物館にいるかのよう。2019/01/31
hide
21
本棚に大事に置いておきたい、眺めるだけで楽しい宝石のような本。美麗な表紙に惹かれて購入してみたら、めくるめく装飾と文様の世界が広がっていた。/古代エジプトからアール・デコまで装飾のスタイルの変遷を解説する前半部と、幾何学模様や植物模様など頻出モチーフを紹介する後半部の、いずれもたくさんの図録と著者の熱意ある解説でたいへん魅力的。/古代ギリシアとイスラムの影響が至るところに見られて、装飾の歴史が脈々と繋がっていることを強く意識させられた。2022/08/27
まーこ
19
クラーナハ展の後、国立西洋美術館の一角で威風堂々としたこちらの本が目に飛び込みました。本のなかもさながら美術館のようでした。ステンドグラスに刺繍や建物等、様々かたちを変え世界を彩る芸術が集約されています。豪華絢爛な世界に目が眩みます。2016/12/17