内容説明
作家のキム・スムが問う東アジアを横断する国家暴力の悲劇、その先にある奇跡のような「連帯」。
目次
第一章 9名
第二章
第三章
第四章 1名
第五章
第六章
第七章
第八章
第九章 3名
第十章
第十一章
第十二章 7名
著者等紹介
キムスム[キムスム]
1997年「大田日報」新春文芸に当選、98年文学トンネ新人賞を受賞。現在、韓国で注目される小説家の一人
孫知延[ソンジヨン]
慶熙大学日本語学科教授。慶熙大学グローバル琉球・沖縄研究所長。名古屋大学で日本近現代文学を専攻し、博士号取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ののまる
9
沖縄久米島で戦時中実際に起こった、日本軍による住民虐殺事件。沖縄人や朝鮮人を「スパイ」と断定し、少年たちを使って惨殺していく。しかも朝鮮人家族は敗戦後に殺されている。一般の人が狂気に陥っていく様子は、関東大震災の朝鮮人虐殺のようだ。2025/08/11
二人娘の父
8
島でたった一人の日本軍司令官による支配の下で、恐怖に追われ怯える島民たちの姿が痛ましい。恐怖の根源は「スパイ」認定されれば処刑という不文律。実際に沖縄戦下で20人の命が「スパイ」認定により奪われた史実をもとにした韓国小説。著者は「さすらう地」「Lの運動靴」のキム・スム氏。ハン・ガンとも通じる痛みの作家である。沖縄戦の惨劇は離島にこそ、その本質があらわれていることが感情的にも理解できる傑作である。2025/12/20




