出版社内容情報
日用品や家具や書物を詰め込んでいく家や部屋は、知らず知らずのうちにその人らしさを著わす。つまり家は持ち主の立体コラージュなのだ。コルビュジエの最小限の家。放浪作家、林芙美子の終の棲家など、独自の視点で捉えなおす。
内容説明
ル・コルビュジエの南仏のカバノン。浪放作家、林芙美子の終の棲家、生活の手ざわりがある柳宗悦邸…。どんなに乱雑な部屋でも、あるいはある一つの趣味に統一された室内でも、最小限のスペースしかない家であろうとも、家からはそこに住まう人が見えてくる。家や部屋は、自己と非自己をへだてる免疫システムであり、持ち主らしさの立体コラージュでもある。そして私たちはもう一つの室内ともいえるパソコンを手にした。技術の変化とともに、変わっていく「私」の領域。人にとって居場所、家、部屋、私物、痕跡について考える。
目次
1 室内と痕跡(室内の観相学;最小限の住宅―ル・コルビュジエのカバノン;身体を補足する装置―ル・コルビュジエの家具 ほか)
2 作家たちの家(偏奇館の『断腸亭日乗』―荷風の室内;木兎の家―童謡作家・白秋の田舎家;放浪ではなく終の棲家―林芙美子邸 ほか)
3 室内と安全(「わたし」と「わたし」を隔てるもの;鍵=内と外を認識させる装置;防御・防護・遮断することをめぐって ほか)
著者等紹介
柏木博[カシワギヒロシ]
1946年生まれ。武蔵野美術大学卒業。デザイン評論家。武蔵野美術大学教授。近代デザイン専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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