出版社内容情報
いまもっとも注目の作家、田中慎弥さんの最新作。「父と子」「戦争の記憶」という骨太のテーマに挑んだ、正統派文学の傑作です。
今年一月に芥川賞を受賞した『共喰い』がベストセラーとなり、今もっとも注目を浴びる作家・田中慎弥さんの受賞第一作です。日中戦争で傷を負い不名誉な形で戦線を離脱、複雑な胸中を隠したまま戦後を過ごしてきた「父」が、昭和天皇の死を受けてとった行動とは――。
田中氏自身を彷彿とさせる作家が受け取った読者からの手紙、という「枠物語」の手法をとりながら展開される数奇な物語。「父と息子」「戦争の記憶」「介護」といった骨太のテーマが、不気味な蜘蛛のイメージと共に描かれます。
「戦争体験」「父と子」「介護」といった重いテーマに正面から挑んだ意欲作。また、一種のミステリーとしても読める構造をもっており、文学の醍醐味をとことん味あわさせてくれる珠玉の一作です。なお、カバー装画は線香の炎で紙を焼き、繊細なイメージを描き出す異色のアーティスト・市川孝典さんの作品です。こちらも合わせてお楽しみください。
内容説明
日中戦争の傷を抱えながら戦後を生きてきた「父」が、昭和天皇の死に際しくだした決断とは。
著者等紹介
田中慎弥[タナカシンヤ]
1972年山口県生まれ。山口県立下関中央工業高校卒業。2005年「冷たい水の羊」で第三七回新潮新人賞を受賞。2008年「蛹」により第三四回川端康成賞を受賞。同年、『切れた鎖』で第二一回三島由紀夫文学賞受賞。2012年、「共喰い」で第一四六回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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