出版社内容情報
●緊急出版!イラクでの「邦人人質事件」をめぐる論議で決定的に欠けていたのは“プロの視点”だった。
ボランティア精神を称揚するのも、個人責任を言い立てるのも、あの状況では間違いである。プロのNGOは、万全の準備をした上で、なるべく目立たないように活動し、人質事件の前には危険を察知して脱出していたのだ。
紛争地のNGO活動を専門に追い続けるジャーナリストだからこそ書ける驚愕の真実!
紛争地、およびポストコンフリクト国(紛争終結直後の国)で、予想される危険の第1が人質、第2が空爆・戦闘、第3が誘拐である。しかも、紛争前・紛争中・停戦協議中・停戦直後・復興期のうちで、最も危険な時期なのが復興期だ。前線が無くなり、武器が市中に拡散している時なのだ。
本書はイラクをはじめ東ティモール、カンボジア、ミャンマー、シエラレオネなど、主な紛争国の現状や危険度をわかりやすくレクチャー。また、日本が復興支援・平和構築をリードして行くことの重要性と、なすべき緊急の課題を説く。
第1部 紛争地で人質にされない方法
1 民間人が紛争地へ行くことの意味
・待ち受ける危険の中味
・NGOの動機と装備
・紛争地の引力
2 起きるべくして起きた人質事件
・プロの世界にアマが入り込むに至った背景
・イラクの現状
3 民間の能力
・NGOの基本知識
・国際NGOの活動
・紛争の全過程で活躍するNGO
・一般市民にできること・するべきこと
4 紛争の実態
・原因を単純化してはならない
・ゲリラの言い分を聴く
・従来の“専門家”の限界
・プライベート・セキュリティー・カンパニーの台頭
第2部 平和構築という考え方
1 和平へのプロセス
・紛争勃発から終結まで
2 平和構築とは
・国連による平和構築
・NGOによる平和構築
・平和構築における新たな動き
3 平和構築の眼目「DDR(武装・動員解除・社会復帰)」
・平和構築の内容
・DDRの内容
・DDRの資金源
・DDRのさまざまなかたち
4 日本の抱える問題
・ 日本がDDRで苦戦する理由
・インテリジェンス(情報収集と分析)の弱さ
5 提言
・インテリ
内容説明
ボランティア精神を称揚するのも、個人責任を言い立てるのも、あの状況では間違いである。プロのNGOは万全の準備をした上で、目立たぬよう身を潜めて活動し、人質事件の前には危険を察知して事務所を閉鎖していた!―紛争地のNGO活動を専門に追い続けるジャーナリストだから書ける驚愕の真実。
目次
第1部 紛争地で人質にされない方法(民間人が紛争地へ行くことの意味;起きるべくして起きた人質事件;民間の能力;紛争の実態)
第2部 平和構築という考え方(和平へのプロセス;平和構築とは;平和構築の眼目「DDR」;日本の抱える課題;提言)
著者等紹介
吉田鈴香[ヨシダスズカ]
1958年生まれ。法政大学大学院修士課程修了。広告代理店、出版社勤務を経て、フリージャーナリストとして独立。世界の紛争地に赴き取材を続ける傍ら、コンサルタントとして、発展途上国の開発援助・コミュニケーション戦略を作成。現在、スー・インターナショナル代表、立教大学大学院・国士舘大学講師
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