内容説明
宗教哲学者である著者がこれまで関心を抱いてきた2人の哲学者、ルートウィヒ・ウィトゲンシュタインとアルフレッド・シュッツ。この2人の哲学を中心に、生、神、祈り、宗教、脳科学といった問題に独自の視点から鋭く斬り込んだ“星川宗教哲学”の集大成。
目次
第1部 ウィトゲンシュタインの生と哲学(ノルウェーにあるウィトゲンシュタインの「小屋」の跡に立って;独創的な「否定神学」の著作としての『論理哲学論考』―ボヘンスキーの批判も踏まえて;太陽とウィトゲンシュタインの宗教体験―一九三七年三月に書かれた『哲学宗教日記』の分析)
第2部 宗教と神経科学(決定論と自由意志論の狭間を生きたベンジャミン・リベット―ユダヤ教と実験神経生理学;宗教哲学と脳科学―エクルズ/ポパーの『自我と脳』と「神経宗教哲学」の構想)
第3部 「祈り」の分析(シュッツ現象学による「祈り」の分析―言語哲学の観点とともに)
著者等紹介
星川啓慈[ホシカワケイジ]
大正大学文学部教授、同大学大学院比較文化専攻長。1956年、愛媛県川之江市(現・四国中央市)生まれ。1984年、筑波大学大学院哲学・思想研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。専攻は宗教学・宗教哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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脳疣沼
2
かなり面白かった。うん。今年読んだ本の中でトップ5に入る。2017/10/12
ニッポニテスは中州へ泳ぐ
0
☆=3/5 2章の、ウィトゲンシュタインが遺した日記を丹念に読み解きつつ彼の宗教的思索と論理哲学上の主張とが整合的であった事を主張する記述が印象に残った。ボヘンスキー的宗教論理学によってその宗教的態度の一貫性を擁護する。 それ以外の章は宗教哲学に関わる広いテーマを扱っており、特に275ページ以降の数節で展開される「1人称記述と3人称記述の違い」は、心脳問題に興味のある人には是非一読をすすめたい。 他、神経科学の知見や薬物がもたらす宗教的体験について宗教哲学が如何に機能し応答しうるかといったテーマ等も。2020/10/12
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