出版社内容情報
近代日本を襲った津波災害に、人々はいかに立ち向かい、後世へ何を残し伝えたのか。明治三陸津波被害を記録した山奈宗真の資料、昭和三陸津波被災地での聞き取り、津波碑、安政地震津波を記した日記などをもとに、被災から復興までの
内容説明
幕末の安政東海・南海地震津波や、近代の明治・昭和三陸津波に、人々はいかに立ち向かい、後世へ何を残し伝えたのか。被災から復興までの現実をさまざまな資料をもとに復元し、困難を克服するための道筋を探り出す。
目次
災害史からなにを学ぶのか
1 災害と日本の近代社会(災害史研究の現状と課題―災害史事典を編纂して;津波災害と復興)
2 明治三陸津波(明治三陸津波と山奈宗真;明治三陸津波と村の対応―青森県三沢村の場合)
3 災害と家族(災害と家族;災害常襲地帯における災害文化の継承―三陸地方を中心として)
4 災害の記憶の継承―津波碑の意義(東北三県における津波碑;蘇えらせよう、津波碑の教訓;津波碑は生き続けているか―宮城県津波碑調査報告)
5 津波の歴史を見直す―南海地震津波の脅威(下田港の被害と復興;歴史災害にみる不安のかたち―安政南海地震(一八五四)の日記から)
著者等紹介
北原糸子[キタハライトコ]
1939年、山梨県生まれ。1962年、津田塾大学学芸学部英文科卒。1971年、東京教育大学大学院文学研究科日本史専攻修士課程修了。2014年3月まで、国立歴史民俗博物館客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
1
ふむ2021/12/23
コカブ
0
著者は元々災害史を研究しており、明治三陸津波や昭和三陸津波の時の社会の対応を研究していた。それに加えて、東北の津波碑や安政地震の時の下田の復興の様子をも調べて分析している。明治三陸津波の時は、山奈宗真という旧南部藩士(遠野町政に携わっていた)が行った調査結果がある。これは現地調査だったが、現地の役場などが出した数値をまとめる形の調査だったと思われる。さらに、津波に際しての赤崎村(現大船渡市)の状況の調査がある。どの家が被災し、再建したか(そして昭和の津波で再度被災したか)などの調査が細かくて素晴らしい。2014/09/05