著者等紹介
後藤昌美[ゴトウマサミ]
1955年、北海道枝幸町生まれ。1978年よりコマーシャル写真と共に大雪山の撮影を始め、1984年にフリーとなり本格的に大雪山を中心に北海道の自然の撮影を始める。1989年からサハリン・北方四島へ、その後カムチャツカの撮影を始める。5年ほど前から北海道の中でも知床を中心に撮影を進める。日本写真協会会員
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感想・レビュー
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miri
55
北海道を訪れるのはいつの季節がよいか。私は初夏が一番美しいと思うが、道外の人と話した時、北海道の醍醐味は冬だと言い切っておられました。その会話を思い出した、最初の一枚は冬の知床連峰。夕陽に染まる流氷、飛び立つオジロワシ、凍る滝。寒さが緩み、やがて芽吹くダケカンバ。四季の美しいものを見ていると、呼吸も穏やかになり、ゆったりとした気持ちになる。「ヒグマと目が合う」という一枚がいい。子熊ながら、鋭い視線。2019/11/24
翔亀
44
知床を中心に北海道の自然ばかりを作品にしている写真家の誠実な写真集。知床の山、海、川、森、野生動物、花など四季折々の姿を満遍なく写している。もちろん知床連峰にも登り、ヒグマのいる森にも入り、岩を下るなど、冒険家的なことをしているが(それなしに秘境・知床は写せない)、それを強調することなく、知床のありのまま自然を奇をてらうことなく伝えようとする。誠実という所以だ。撮影データとしてカメラ的なことではなく、いつどこでどのようにどんな思いで撮ったかを記す解説にも誠実さが表れている。知床に行ってみたくなる入門書だ。2015/09/23
けんとまん1007
14
知床・生命の聖域というタイトル。聖域でもあり、また、生命の溢れる地という表現がピッタリでもある。動物・植物・鉱物に限らず、形のあるすべてのもの、そして、形がなくても感じられるもの、すべてが凛とした姿で現れてくる。もちろん、ほんわかにたものもあるが、その中にも、凛としたものを感じてしまうのは何故なのだろう?自分が、今暮らしているところにも、そんな命の息吹が多く感じられる。それを感じ取れなくなることだけは避けたいと切に思う。2015/10/01