内容説明
16人の経済学者の叡智。新古典派総合、制度学派、進化経済学…経済理論と実践を学ぶ。
目次
ポール・A.サムエルソン―王者の折衷主義
フリードリヒ・A.ハイエク―「忘れられた経済学者」から自由主義経済思想家へ
ミルトン・フリードマン―ケインジアンとの闘いの末に得たもの
ジョン・K.ガルブレイス―ことばで現実を変革する偉大な名文家
グンナー・ミュルダール―不平等に向き合う制度派経済学
ミハウ・カレツキ―ポスト・ケインズ派経済学の源泉
ジョン・ナッシュ―ゲーム理論の可能性の中心
ロバート・E.ルーカス,Jr.―厳密性の回復に努めた理論家
ネルソンとウィンター―時間と知識に関する進化経済学の挑戦
アマルティア・セン―平等とは何か、何の平等が重要であるのか
都留重人―理想を追い求めた科学的ヒューマニスト
森嶋通夫―一般均衡論を動学化する
J・E・スティグリッツ―「情報パラダイム」の開拓
N・グレゴリー・マンキュー―輪廻転生のケインズ経済学
ポール・クルーグマン―市場と政府の狭間で
著者等紹介
根井雅弘[ネイマサヒロ]
1962年宮崎県生まれ。1990年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、京都大学大学院経済学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
12
J.K.ガルブレイス、G.ミュルダール、A.セン、都留重人、森嶋通夫、J.E.スティグリッツ、P.クルーグマンに注目。ガルブレイスは農業経済学を二流、通俗的とされて、有用な学問という位置づけがされないことを嘆いた(56頁)。彼は時代や特定世界から受ける影響を反映した経済学を構築しようとした(60頁)。ミュルダールの逆流効果とは、貿易・移民・資本移動は格差拡大効果をもつというもの(86頁)。今後TPPでこうなりかねない。波及効果との差が大きさで格差拡大か縮小か決まるとした(87頁)。センは人間の安全保障。2014/01/18
Z
11
名著!マルクスvs資本主義は問題外にしてももはや古典派vsケインズでもない。サミュエルソンからクルーグマンまで15人の経済学者の紹介。全員アングロサクソン圏出身かそこで働いたことがある人という経済学の状況に驚くが簡潔ながらも、踏み込んで紹介しており、読み込むのが難しいが、新古典派総合から、新自由主義、マネタリスト、マルクス経済、ニューケインジアン、合理的期待、ゲーム理論、情報理論と、かなり幅広くカバーしていて、良書と思う。スティングリッツの章が最高。個人的には経済理論とその政策的含意の見取り図としてかなり2018/02/03
kozawa
1
サムエルソンからって所が特徴で、まさに現代の15人。丁寧に解説されて良い。といいつつ解説されてる理論全部ちゃんと理解しながらなんか読んじゃいないけどね。まぁでもこの辺押さえておかないとケインズ以後何が議論されてるかわかんないんじゃないかな。2011/04/23