出版社内容情報
技術的対象の発生が向かう先(サンス)を理解することで、美的対象や生物のものとは別の存在論的身分を技術的対象に付与しなければならない。そのとき、人間が技術的現実(レアリテ)とむすぶさまざまな関係を、とりわけ教育と教養の観点から研究することが可能となる。だが、人間と世界とのすべての根本的な関係を分析することで、技術性それ自体の発生もまた理解されなければならない――
(2012年版紹介文より)
フランスの哲学者G・シモンドンの主著である本書は、そのきわめて高い独創性によって技術についての哲学的反省を根本から決定的に変えた。技術的現実が提起してきた、そして提起し続けているさまざまな問題に診断を与えている本書は、アクチュアルな思考にとって無視することのできない重要文献となっている。
1958年に初版が刊行されて以来、多数の言語に翻訳され、活発に読解・注釈がなされているフランス技術哲学の古典、待望の邦訳。
内容説明
フランスの哲学者G.シモンドンの主著である本書は、そのきわめて高い独創性によって技術についての哲学的反省を根本から決定的に変えた。技術的現実が提起してきた、そして提起し続けているさまざまな問題に診断を与えている本書は、アクチュアルな思考にとって無視することのできない重要文献となっている。1958年に初版が刊行されて以来、多数の言語に翻訳され、活発に読解がなされているフランス技術哲学の古典、待望の邦訳。
目次
第一部 技術的対象の発生と進化(技術的対象の発生―具体化のプロセス;技術的現実の進化―要素、個体、総体)
第二部 人間と技術的対象(人間と技術的所与との二つの根本的な関係様態;人間と技術的対象の世界との関係において教養のはたす制御的な機能。今日的な問題)
第三部 技術性の本質(技術性の発生;技術的思考とその他の種類の思考との結びつき;技術的思考と哲学的思考)
著者等紹介
シモンドン,ジルベール[シモンドン,ジルベール] [Simondon,Gilbert]
1924‐1989。1924年、フランスのサン=テティエンヌに生まれる。パリ高等師範学校(ユルム校)の卒業生。1948年に哲学の教授資格を取得後、トゥールのリセ・デカルト校をはじめ、ポワティエ大学やパリ大学などで教鞭を執った。リセでは哲学の授業を担当するだけでなく、みずから設置したアトリエで生徒とテレヴィジョンの受像機を実作するなどしていた。また1964年にパリ大学に移ってからはパリ市内に「一般心理学・技術論」ラボを設置している。1958年、パリ大学に提出した論文により国家博士号を取得
宇佐美達朗[ウサミタツロウ]
1988年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、鹿児島大学法文学部人文学科(多元地域文化コース)助教
橘真一[タチバナシンイチ]
1978年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(人間科学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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