出版社内容情報
イギリス現代文学の最前衛をひた走る、ティモシー・モーの代表作にして歴史巨編『香港の起源』。本作も遂に、完結の巻をお届けする日がやってきた。
いよいよ大きな歴史のうねりが止められない勢いで溢れ出し、戦争が始まる。これまでは暢気な駆け引きに日々を過ごしていた主人公たちも、否応なく残酷な歯車に呑み込まれていく。錯綜する情報、そしてどんでんがえしとも言える、衝撃的な結末――モー一流の、機知に富む人物描写と洞察に満ちた叙事の語りが、見事に一つとなって、読者に深い感動を与えるに違いない。
香港に生まれ、イギリスに学んだ後、作家活動を始め、現在はフィリピンを中心に、なおも精力的かつ挑発的な作品を発表し続けるモーの興味深い軌跡は、巻末の訳者解説に詳しいが、本書は、そんな彼自らも「マスターピース」として認める、新世紀文学の傑作、古典なのである。
全2巻完結
Timothy Mo(ティモシー・モー)
1950年香港生まれ。広東人の事務弁護士の父とイギリス人の母との間に生まれる。12歳で渡英、オックスフォードのセント・ジョンズ・カレッジで歴史学を専攻する。いくつかのジャーナリズム関係の仕事を経験しつつ、最初の小説The Monkey Kingを1979年に出版、Geoffrey Faber Memorial Prize を受賞した。以後、Sour Sweet(1982, Hawthorden Prizeを受賞)、An Insular Possession(1986, 本書)、The Redundancy of Courage(1991)、Brownout on Breadfruit Boulevarad(1996)、Renegade or Halo 2(2000)と意欲的な作品を発表している。旅、映画にスキューバ・ダイビングを愛するスポーツマンでもあり、現在はアジアを中心に活動している。
訳者:
片柳和子(かたやなぎ・かずこ)
翻訳業(SWETメンバー、EJ・JE)、またバー・ピアニスト(朝倉和子)。1948年東京生まれ。筑波大学付属高校卒、東京都立大学人文学部史学科中退。1970年代は欧亜ラ米漂流、香港にはホテル・ピアニストとして2年滞在。訳書 リン・パン『華人の歴史』(1995、みすず書房)。
内容説明
ついに戦争が始まる。四人の主人公たちも、それぞれ否応なく時代のうねりに呑み込まれていく。そして衝撃のラストが。歴史=小説の最新形、遂にここに完結。
著者等紹介
モー,ティモシー[モー,ティモシー][Mo,Timothy]
1950年香港生まれ。広東人の事務弁護士の父とイギリス人の母との間に生まれる。12歳で渡英、オックスフォードのセント・ジョンズ・カレッジで歴史学を専攻する。幾つかのジャーナリズム関係の仕事を経験しつつ、最初の小説“The Monkey King”を1979年に出版、Geoffrey Faber Memorial Prizeを受賞
片柳和子[カタヤナギカズコ]
翻訳業(SWETメンバー、EJ・JE)、またバー・ピアニスト(朝倉和子)。1948年東京生まれ。筑波大学付属高校卒、東京都立大学人文学部史学科中退、1970年代は欧亜ラ米漂流、香港にはホテル・ピアニストとして二年滞在
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