戦争とプロパガンダ〈2〉―パレスチナは、いま

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  • サイズ B6判/ページ数 94p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622036838
  • NDC分類 316.4
  • Cコード C1036

出版社内容情報

パレスチナでは、いま、何が起こっているのか?
注目を集めた『戦争とプロパガンダ』につづく、
〈世界の今〉への必読書。


「西岸とガザ地区でシャロンが集合的に課したパレスチナ人の受難の真実にどのような仕打ちがなされたかには〈邪悪〉という形容詞がふさわしい。十分に記述したり物語ったりすることは不可能だということ、アラブは口では闘争を支持するが何も行動しないということ、合衆国が恐ろしく敵対的だということ、ヨーロッパ人が何の力にもならないこと、そういうものが重なって、わたしたちの多くは絶望に追い込まれており、イスラエル高官と合衆国高官のねらいどおり一種の希望のない挫折感にはまりこんでいる」。

「重要なのは、西岸やガザ地区での軍務を拒否したイスラエルの予備役兵たちに呼びかけることに違いない。イスラエルの抑圧に反対するイスラエル内部の抵抗勢力を見つけ出し、彼らと協調して活動することを試みないかぎり、わたしたちはいつまでたっても出発点にたったままである…パレスチナ人とイスラエル人の努力がいっしょになって、占領を終了させるよう特定の具体的な手段を通じて働きかけないかぎり、占領を打ち負かすことはありえないだろう。したがって、パレスチナ人のグループは(自治政府の指導の有無にかかわらず)これまでのためらいを捨てて積極的に働きかけ、イスラエルの抵抗勢力のみならずヨーロッパやアラブ諸国やアメリカの抵抗勢力をも勧誘し巻き込んでいくようにしなければならない」。

パレスチナの地で起こっている現実をどう考えればよいか。パレスチナとイスラエルの歴史を背景に〈9・11〉以降、誰の目にも明らかになった合衆国とイスラエルの関係に分け入り、メディア批判を通して〈わたしたち〉がすべきことを描く、『戦争とプロパガンダ』につづく〈世界の今〉への必読の書。

-目次-
パレスチナに芽生えるオルターナティヴ
一段の締めつけ
アメリカについての考察
オスロに何の価値がある?
この先を考える
イスラエルは何をしたのか



Edward W. Said(エドワード・W・サイード)
1935年11月1日、イギリス委任統治下のエルサレムに生まれる。カイロのヴィクトリア・カレッジ等で教育を受けたあと合衆国に渡り、プリンストン大学、ハーヴァード大学で学位を取得。現在 コロンビア大学英文学・比較文化教授。邦訳されている著書に『オリエンタリズム』(平凡社、1986)、『イスラム報道』(みすず書房、1986)、『始まりの現象』(法政大学出版局、1992)、『知識人とは何か』(平凡社、1995)、『世界・テキスト・批評家』(法政大学出版局、1995)、『パレスチナとは何か』(岩波書店、1995)、『音楽のエラボレーション』(みすず書房、1995)、『文化と帝国主義』(全2巻、みすず書房、1998、2001)、『遠い場所の記憶 自伝』(みすず書房、2001)、『戦争とプロパガンダ』(みすず書房、2002)などがある。

中野真紀子(なかの・まきこ)訳
翻訳家。訳書にサイード『ペンと剣』(クレイン、1998)、『遠い場所の記憶 自伝』(みすず書房、2001)、エリオット・レイトン『大量殺人者の誕生』(人文書院、1995)など。

参考:
『戦争とプロパガンダ』\1500 2002年2月初版

内容説明

パレスチナの地で起こっている現実をどう考えればよいか、パレスチナとイスラエルの歴史を背景に“9.11”以降、誰の目にも明らかになった合衆国とイスラエルの関係に分け入り、メディア批判を通して“わたしたち”がすべきことを描く。『戦争とプロパガンダ』につづく“世界の今”への必読の書

目次

パレスチナに芽生えるオルターナティヴ
一段の締めつけ
アメリカについての考察
オスロに何の価値がある?
この先を考える
イスラエルは何をしたのか

著者等紹介

サイード,エドワード・W.[サイード,エドワードW.][Said,Edward W.]
1935年11月1日、イギリス委任統治下のエルサレムに生まれる。カイロのヴィクトリア・カレッジ等で教育を受けたあと合衆国に渡り、プリンストン大学、ハーヴァード大学で学位を取得。現在、コロンビア大学英文学・比較文化教授

中野真紀子[ナカノマキコ]
翻訳家
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

62
この時期イスラエルはハマスからのテロ攻撃を理由に和平に応じなかったらしいが、ハマスを挑発したのはシャロンだという。裏でどんな謀略が巡らされても驚かないが、こうしたサイードの見解を読むとやはり衝撃を受ける。私自身、自爆テロの凶悪さに目を奪われ、パレスチナ人の置かれた状況に無頓着すぎた。イスラエルはパレスチナに入植地を作って家を焼き道路を封鎖したのであり、それは今もくり返されている。生存を脅かされた人々の抵抗に対して各国の反応は冷たかった。日本や国連が人道的な声明を出しても実質はイスラエル寄りとしか思えない。2015/06/11

さえきかずひこ

9
エジプトの英字紙、アル・アフラーム・ウィークリーに掲載された筆者の2002年1月〜4月の論考がまとめられたもの。サイードの立場は前著同様明確で、パレスチナ人たちを武力で迫害するイスラエル政府、とくにシャロンを徹底的に非難し、その蛮行に用いる無数の兵器を供与する米国政府と右派ジャーナリストを声高に批判、苦難のなかにいるパレスチナ人には同情的だが、PLOのアラファトは愚かであるとする。彼はイスラエル国内にもパレスチナ人への武力行使に否定的な人々が現れていることを指摘し、国際的な連帯にわずかな希望を託している。2020/02/15

oz

4
初読。サイードの著作は抽象と現実を複雑に往還するような難解さがあった。その彼にこのような本を書かせた意味について考えるべきだろう。彼は怒っている。パレスチナ報道を通じて馬脚を現した知識人の堕落とそれが招く集団の混乱と凡庸を。アメリカが絶対的なヘゲモニーを握るこの世界にあって、アメリカの歴史・文化・言語を知ることは義務であり、知らないことはそれだけで罪だと語る舌鋒はかつてないほど鋭く、耳が痛い。2009/12/05

Jurisa_kt

2
前作よりもプロパガンダについて突っ込んだ内容になっていて、一連の出来事の登場人物、当事者への自分の認識が間違っている事に気付きました。一つ一つの文章が長く読むのに苦労し、読解力の無さを痛感しました。2014/06/26

yooou

2
☆☆☆☆★2009/05/21

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