出版社内容情報
ケストナー、ル・グィン、ヴォネガット、福永武彦… … 世界は素敵な本で溢れてる!
小説家の父と声優の娘が読む喜びを伝える対談集。
内容説明
はじめて読んだ本をおぼえていますか?ページをめくれば溢れだす、しあわせな時間と家族の思い出。文学者の父と声優の娘が語りつくした「読書のよろこび」。
目次
1 読書のめざめ―児童文学1
2 外国に夢中!―児童文学2
3 大人になること―少年小説
4 すべてSFになった―SF1
5 翻訳書のたのしみ―SF2
6 謎解きはいかが?―ミステリー
7 読書家三代―父たちの本
エッセイ 父の三冊
著者等紹介
池澤夏樹[イケザワナツキ]
1945年生まれ。作家、詩人。小説、詩やエッセイのほか、翻訳、紀行文、書評など、多彩で旺盛な執筆活動をつづけている。また2007年から2020年にかけて、『個人編集 世界文学全集』、『個人編集 日本文学全集』(各全三十巻)を手がける
池澤春菜[イケザワハルナ]
1975年生まれ。声優・歌手・エッセイスト。幼少期より年間三百冊以上の読書を続ける読書狂。とりわけSFとファンタジーに造詣が深い。お茶やガンプラ、きのこ等々、幅広い守備範囲を生かして多彩な活動を展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
474
これは困る。内容に偏りがあるにせよ、読みたい本が怒涛のごとく押し寄せてくる。苦手意識の強かったSFやファンタジーでさえ手に取らせる勢い。おふたりの読書量にまずは感服。終盤戦、なにかモヤつくものを感じたが、その気持ちの根っこはおふたりの置かれた環境への「嫉妬」なのだと気づく。人は嫉妬する動物なのだ。2022/02/12
まこみや
104
福永武彦には専ら小説(因みに僕のベスト3は①『死の島』②『忘却の河』③『廃市』)で、池澤夏樹には主に編集と書評(特に『個人編集 世界文学全集』)で、池澤春菜にはSF書評(例えば『SFのSは、ステキのS』)で、とにかく親子三代にわたって我が読書生活を実りあるものにしてくれた恩人である。その本についての親子の対談が面白くないわけがない。とりわけ読書家三代は、「私小説の類は一切書かない」夏樹と春菜が珍しく私的な事情を吐露した点で頗る興味深いものだった。ただ積読本は溜まる一方なのに、これ以上紹介されても困るなあ。2021/04/02
おたま
89
池澤夏樹、春菜親子の本を巡る対談。春菜さんが生まれたときから自分の周りに本が山のようにあったことから始まり、児童文学、SF、ミステリー、そして父たち(夏樹さんと福永武彦)の文学について、とことん語り尽くす。「読書って自分自身は本に向かって開かれているんだから自閉ではない」「人とつきあうように本とつきあうことができる」という言葉が印象的。巻末にこの本で取り上げた本が、細かい活字で9ページも書かれている。それだけでも貴重なブックガイドになっている。2022/02/20
kei-zu
87
父と娘が語り合う「ぜんぶ本の話し」。 春奈さん、前書きに「10年前だったら、この本のお話も断っていたかもしれない」と書く。文学者として高名な父との関係は微妙であるのだろう。 それでも二人の話しは、過去の読書経験を経て父による自らの親との関係にも及び、互いの信頼感を深める感があり、読後は暖かい気持ちになります。 取り上げられる本は多いですが、二人の語り口の上手さから、未読の本についても楽しく読めます。2021/12/02
おゆき
43
読書家の池澤春菜さん、気になっていましたが、以前観たアニメの声優で、池澤夏樹の娘さんとは気づいていなかった。父と娘が愛読した本を、対談形式でジャンルごとに語ってゆく。弾むようにタイトルがあがり、全部で210作品。翻訳物が大半で、児童書とSFが多い。他はミステリーが少々。欄外下部に作者経歴が記載してあって、本文が読みやすかった。第7章は池澤親子のルーツについて。私も父と貸し借りをするけれど、感想の共有は「あの本よかった」くらいですね。 ブックガイドとして素晴らしく、児童書で読みたいものが増えました。2025/04/29