内容説明
「あなたがあなたである限り、よくなるのはむずかしいの」。病を癒やす不思議な力を持つ女によって、菊池は全く違う自分へと生まれ変わるよう導かれる。無数の偶然が一本の線となりたどり着いた土地で、菊池は過去に隠された驚くべき真実を知る。がんの奇蹟的治癒に哲学・文学的に迫り、この世界の神秘を描き切った白石文学の集大成。
著者等紹介
白石一文[シライシカズフミ]
1958年福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て、2000年に『一瞬の光』でデビュー。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞、10年『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
練りようかん
12
余命宣告された主人公は、二十年前に電話でやり取りした超能力を持つ女性のいる神戸に住むことを決意。理詰めで探すのではなく他の見つかり方があるはずと躍起にならないところが面白い。その場面はうわぁ!と盛り上がるもので、終盤は鳥肌が立った。主人公の人生を握っていたのは女性だと思ってたが実は別にいて、それがタクシー運転手というのが巧い。この“一体これは…”を味わうために読んできたんだと思った。その中心が主人公でないことが一層その感を強めて、上下巻分のボリュームに意味を感じた。土地描写は楽しくがん考察は勉強になった。2024/10/05
時代
7
最後に無敵が出てきて伏線回収に唸った◎2024/10/17
かずぺん
6
人間関係の複雑さに戸惑いながらも読了しました。素人ながら完成度に驚愕です。満足しました。2023/10/11
Tonzo
3
★★★★☆ 最後は神秘で全てが繋がった! 最近のベスト! 面白かった。2024/11/04
nanako
3
とりあえず記録2024/08/18