内容説明
再婚した父と離れて、おばあちゃんの家で暮らすことになった七重。亡き母といっしょに人形のために作った、引き出しの中のミニチュアの家に、ある日、小さな小さなお客様がやってきた。言い伝えの妖精「花明かり」と少女の、時を越えた交流を描いた感動のファンタジー。
著者等紹介
朽木祥[クツキショウ]
広島市生まれ。上智大学大学院博士前期課程修了。『かはたれ』(福音館書店)で児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞ほか受賞。『彼岸花はきつねのかんざし』(学研)で日本児童文芸家協会賞、『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
88
お人形のためにこしらえた引き出しの中の家に〈花明り〉と称ばれる妖精の女の子がやって来て…。妖精、こびと、ちまちましたミニチュアが大好物の私にはドストライクなファンタジー。子どもの頃は外国のドールハウスに憧れたけれど、この作品を読んで盆栽が欲しくなった。枝垂れ桜の鉢で小さい人とお花見したいな。〈花明り〉のために工夫して作る小物がいちいち可愛らしいし〈花明り〉の手仕事もとても素敵。これは手元に置いておきたいので購入しよう。2019/02/01
はるぽん🐰道草中🐱
33
こんなことを想像しながら毎日を過ごしていた子どもの頃に読みたかったな。たぶん今よりも、昔少女だった人たちが好きなもの、かわいいもの、憧れのものが、密やかに大切にぎゅっと詰まっている~花明かりと少女の時を越えたファンタジー。目次もイラストも素敵。盆栽も渋くておじさんのイメージではなく、可愛らしい花明かりのためにあるものって考えたら、とってもファンタジー、ワクワクして盆栽の見方すら変わっちゃうね♪2017/01/27
なっちゃん
20
小学生の時に読んだコロボックル。最近で言うと、アリエッテイ。小さい妖精の話は、心引かれます。 これは、和テイストな感じで、情景が浮かびやすい。子供の頃のワクワク感やドキドキ。そして、どこか、風情を感じる本でした。2019/01/28
kotono
19
小さい頃よく遊んでいた、シルバニアファミリーを思い出しました。お菓子の箱などを部屋にして、そこにミニチュアの家具などを置いて、遊んでいたなぁ。小さなベッドに小さなバスタブ、小さなティーカップ、ほんとにわくわくしながら読みました。独楽子ちゃんと桜子ちゃんに会ってみたいなぁ。2014/12/10
ぱせり
14
「あれ? ラストシーンが変わった?」と思った。あわてて単行本をひっくり返してみたけれど、変わってはいなかった。書かれていない場面、待ち望む場面、きっとあるはずの場面を、頭の中で作り上げ、本の中に書かれている気になっていた。でも、きっと! その瞬間を見たい! 2013/06/06