出版社内容情報
あの夏、恋人と親友を一瞬にして奪われた修一。二十余年ぶりの邂逅が、“あの事件”の真相を照らし始める。傑作エンタテインメント小
内容説明
アナリストとして活躍する修一は、高校時代の親友・有賀と再会する。二人の仲を引き裂き、恋人を永遠に奪った“あの事件”からすでに二十年以上の歳月が流れていた…。現役新聞記者ならではの経済問題への鋭い切り込みと、骨太なストーリーで話題を呼んだ傑作が遂に文庫化。
著者等紹介
田村優之[タムラマサユキ]
1961年、香川県出身。早稲田大学卒業。「ゆらゆらと浮かんで消えていく王国に」で、第7回開高健賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
187
帯に書かれているように確かに‘泣ける’作品でしたが、個人的には‘経済’のネタ(話)があまり馴染めず、少しストレスを感じました。アナリストの「修一」と新聞記者の「有賀」が20年の時を経て再会し、お互いの苦悩をさらけ出せずに抱えたまま、さらに時は流れ・・・の展開はとてもドラマティックでした。その話の軸だけでも十分に作品としては成り立つような気がするのですが、果たしてソコに‘経済’ネタは本当に必要だったのかと。いつの時代もやはり【親友】は【真友】であり続けてほしいと感じ、アラフォーの自分にはジンワリきました。2014/11/15
Yunemo
148
久しぶりに胸の奥底にストンと落ちた作品。自身の感性にストレートに響いてきます。今この時期だからなのかもしれません。経済面でのニッポンの青いゴースト、まだまだ日本は救われてます。個人面では、今のところ、人生の責任を誰かに負わせては生きてきていません。経済環境、ボクシング、20年も前の純粋な想い出、男と男、男と女、確かにありがちかも知れません。でも、なんとなく、わだかまっていた自身の気持が解きほぐされるような、そんな感じで読了。2014/05/04
にいにい
109
初田村優之さん。加藤佳之専務取締役カッコいい!。国全体を考え、発信する。その姿勢は、見倣いたい。本書は、国債発行を絡めた経済小説の面と高校生からの青春小説の2面を持つけど、親友って、こんな長い間誤解や秘密がある人達を言うの?恋人も。誰にも相談出来ない人ばかり。あと、初めからずっと探し合ってた関係が何組も出てきて不倫、離婚することに違和感が大きい。国の経済を考える機会をくれる一冊。人間関係の方は、疑問大だけど。2014/10/23
小説を最初に書いた人にありがとう
100
書店員さんの「ビジネスマンが泣いた」で衝動買いでしたが楽しめました。 正直、こんなに重くて、衝撃的な人生は現実感無いのかも知れないけど、遠い青春時代を思い出せば近しいことはあったように思える。 なぜあんなに眩しい時代だったのかって不思議なくらい。 あの頃の親友とか好きだった女の子はどうしてるかな?なんて思い出させるきっかけになった本でした。2014/08/20
hisato
85
【図書館本】ストーリーについては途中まで不完全燃焼気味な気分で読んでいましたが、最後まで読み切るととてもしっくりくる内容でした。骨太なストーリーという評価に偽りなしという感じなのか。純子の死の真相と有賀の病死を受け入れた後の修一が書かれているのが何よりも良かったです。起承転結がはっきりしていて、エピローグまで書かれているのが特に好みなのかもしれません。そして、経済と国債の話が意外と面白かった。最近興味津々なのでw2017/03/22