出版社内容情報
志ん生と戦争体験、「お直し」とビリー・ホリデイ、桂枝雀と中村誠一、落語世界をアクロバティックに拡張する、革命的落語マンダラ。
内容説明
江戸と江戸っ子の堕落を経て、昭和の落語へ。進駐軍と三遊亭歌笑の死、フリー落語の誕生秘話など、戦後闇市時代から現在までの記憶を一気に紡ぎ出す。さらに桂文楽、志ん生・馬生・志ん朝の名人親子から勝新太郎まで、個々の芸人たちのアイデンティティーをも遺伝因子レベルまで掘り下げ、魂の深淵から湧き出づる大落語マンダラをダイナミックに描き出す。
目次
江戸がゆるむ、「てれすこ」と「長崎の赤飯」
「樟脳玉」のヴァルネラビリティー
「星野屋」と「庖丁」
「年枝の怪談」、汽車と畳の感覚
「按摩の炬燵」、幻視者文楽の神髄
「麻のれん」
桂南天「口合あんま」
座頭市的落語
「天狗裁き」
さかさ邯鄲〔ほか〕
著者等紹介
平岡正明[ヒラオカマサアキ]
1941年東京生まれ。評論家。60年代よりジャズ、犯罪、歌謡曲、映画、文学等々、あらゆる分野を縦横無尽に越境した著作活動を続け、世に送り出した著書は100冊超。横浜野毛を拠点とし、大道芸とジャズの大企画に奔走しながら、2004年には「うま野毛寄席」木戸番としてデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。