出版社内容情報
イギリス・ロマン派を代表する詩人が、18世紀後半から19世紀にかけて増大した湖水地方旅行者のために書いたガイドブックの古典。ワーズワスの自然観、湖水地方観、自然への接し方についての認識を示す本書は、イギリス・ロマン派文学研究の重要な基本文献であることはもとより、200年の時を越えたいま、「環境の時代」を先取りしたエコロジーの原点として再評価の機運が高まっている。
内容説明
イギリス・ロマン派を代表する詩人が、自然との交流を綴った散文作品。刊行後200年を経た今、“環境の時代”によみがえる旅行案内の古典。
目次
旅行者への提案と情報(ウィンダミア;アンブルサイド;コニストン湖;アルファ・カーク;アンブルサイドからケジックへの道筋;グラスミア;ケジックの谷;バタミアとクラモック;ローズウォーター;ワズデイル;アルズウォーターとこの湖に注ぎ込む河川;ホーズウォーター、その他)
湖水地方の景色について(自然により形作られたこの地方の景観;住民の影響を受けて生じたこの地方の様相;変化とその悪影響を防ぐための趣味の規則)
様々な留意点(この地方を訪れる時期;目的地を訪ねる順序;山頂からの眺め;比較がもたらす害悪;アルプスの光景と、カンバーランドやその他の光景の対比;種々の現象;比較に基づく評価)
遠出―スコーフェル山頂への登山と、アルズウォーター湖畔での逍遙
頌歌―カークストーン峠
旅程
著者等紹介
ワーズワス,ウィリアム[ワーズワス,ウィリアム] [Wordsworth,William]
イギリス・ロマン派を代表する詩人。1770年、湖水地方周辺部のコッカマスに生まれ、ホークスヘッドで美しい自然に触れながら教育を受ける。1787年にケンブリッジ大学に入学。大学卒業後はフランス革命に共鳴し急進思想にひかれるなどして精神的危機に陥り、各地を転々として暮らしたこともあった。しかし1795年ごろより徐々に回復して詩作に専念するようになり、人間にとっての自然の意義をうたった傑作を次々と創作した。1799年12月に愛する郷里である湖水地方に帰還し、ダブ・コテージに居を構えた。以後、ライダル・マウントなどに転居はしたが、1850年にこの世を去るまで湖水地方で詩作と思索、散策の生活を送った
小田友弥[オダトモヤ]
1947年、新潟県に生まれる。1970年弘前大学人文学部卒業。1973年東北大学大学院文学研究科修士課程修了。高知女子大学文学部助教授、山形大学教育学部教授などを経て、山形大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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