出版社内容情報
どこにも居場所がなかった少年は、移動図書館車を清掃する母娘に出会う。幸せな交流もつかの間、ある事件により彼らは逃避行を始める
内容説明
家にも学校にも居場所がない12歳の少年、ボビー・ヌスク。彼はある日、2人暮らしの母娘に出会う。母親が働く図書館トラックのたくさんの本に、ボビーはたちまち夢中になった。1冊読むごとに、目の前に世界がどんどん広がっていくのを感じる。だが、平穏は続かない。いじめっ子への仕返しが警察沙汰になったのだ。ボビーたちは図書館トラックに乗って町を離れ、未知の土地を駆けめぐる!数々の文学賞に輝く気鋭作家による少年の成長物語!
著者等紹介
ホワイトハウス,デイヴィッド[ホワイトハウス,デイヴィッド] [Whitehouse,David]
ロンドン在住。2011年に発表したデビュー作Bedはベティ・トラスク賞を受賞し、18カ国で出版された。短篇映画の脚本も手がけ、Bedも映像化されている。2作目の長篇小説である『図書館は逃走中』は、ジャーウッド・フィクション・アンカヴァード賞を受賞、“ニューヨーク・タイムズ”にて「要注目の作家」と称される
堀川志野舞[ホリカワシノブ]
横浜市立大学国際文化学部卒、英米文学翻訳家。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
84
タイトルとカバーの絵に魅かれて手に取りましたが、予想していた内容とは異なりました。とってつけたような舞台設定で、"図書館" でなくてもよかったように思います。もっと図書館がらみの話であって欲しかったという勝手な思いからの感想です。でも、コンゲームのようなこのエンディングは好きです。2017/12/14
カムイ
53
ジャケ買いした本、作者も全然知らない。ファンタジックだ!冒頭、何だ何だとんでもない事なっているぞ、と、ボビーの逃走劇だが移動図書館が陰の主人公でもある。少年ボビーは父親には無視され学校ではいじめにあい悲惨な日々を過ごしていたトリッキーな人々との出会いと図書館の本により彼の心に癒やしと逞しく成長していく、様々な本を読むことに共感したり悲しだり怒ったり沈んだりして少年の可能性に蓄積され明日に向かって進むのだろう。【星の王子さま】にボビー少年自身が投影するのはこの世はひとりボッチでいるのがホント哀しい思いだと→2021/05/19
よっち
45
家にも学校にも居場所がない12歳の少年ボビー。そんな彼が移動図書館で働くヴァンとその娘ローザと出会い、それぞれが行き詰った日常を飛び出すべく移動図書館のトラックに乗って町を離れ、未知の土地を駆けめぐる物語。ただ一人の親友まで遠くに行ってしまったボビーと、移動図書館廃止が決まって途方に暮れるヴァンとその娘ローザ。最初は3人で始まった移動図書館をドラゴンに見立てた逃避行。女王さま、お姫さま、原始人と犬を仲間にした冒険の結末はわりとほろ苦くて、けれどまだこれが終わりではないことに少しだけ救いを感じる物語でした。2017/06/19
ヘラジカ
42
ポップな表紙とは相反してのっけから絶望的な始まり方はするわ、少年特有の純粋さから痛々しい事件は起こすわで、もう冒頭から陰鬱な気分だった。これは小説版『テルマ&ルイーズ』や『俺たちに明日はない』だと割り切って読んだが、それだけに期待していなかった分、着地点は見事だと感じた。特になんということはない物語なんだけど、終わり方が結構考えられてる分記憶に残りそうな作品。移動図書館に特別な思い入れや思い出がある人は是非。(2017・39)2017/05/28
ほちょこ
31
まず帯のコピーと内容のギャップにギモンを感じてしまった。そういうストーリーではないだろう?この帯と表紙デザインの可愛さに期待して読んだからかもしれないが、実にやるせない気持ちになる物語だった。彼らはそれぞれ、本当に救われるのか?何が善で何が悪なのか?モヤの中から這い出ることができない本だった。2017/07/07