マイセン―秘法に憑かれた男たち

マイセン―秘法に憑かれた男たち

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784087733235
  • NDC分類 751.3
  • Cコード C0098

内容説明

すべては錬金術にはじまった…。三世紀前、この物語がはじまる頃、あまねく世の智者たちが探りあてたいと願っている、二つの大きな秘密があった。一つは、文明それ自体と同じくらい古いものだった―秘めたるわざ、あるいは賢者の石をつくる秘法である。もう一つは、磁器の製法だった。もっとも珍重された、贅沢な芸術の一つ、―粘土からできた黄金ともいうべき磁器の。磁器はたちまちのうちに、地位、権力、趣味の良さの魅力的な象徴となった。この物語は、当時の大いなる謎の一つを解き、東洋のそれにも勝る磁器をつくりあげた三人の男の、信じがたいが本当の話である。

目次

第1部 秘法師(逃亡者;変成か詐術か;王の虜 ほか)
第2部 競争者たち(死の影;磁器の宮殿;偽りの仮面 ほか)
第3部 磁器戦争(最後の旅路;磁器の兵隊;生活の諸相 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

6
人が取りつかれた「もの」を通じて、関わった人々を描いていく、という 歴史もの。訳者南条竹則さんは日本ファンタジーノベル大賞受賞者で、語り口が とっつきやすく、さらりと読めます。著者ジャネットグリーソンは、スリランカの 農園主の娘で、サザビーズなどの勤務経験を経て作家に。昨年オランダのデルフト焼を見てきたこともあって、何か懐かしい気がしました。 2005/11/18

arina

5
マイセン磁器を作り出した才能ある3人の男。錬金術師ベトガー、絵師 ヘロルト、造形師 ケンドラー。マイセンの歴史には幽閉に陰謀に争い、沢山の壮絶なドラマがあった。レポートのためにマイセンの本は何冊か読んだけど本書は物語を読んでるみたいでとても面白かった。ここまで白磁に人生を翻弄される歴史を知ってしまったら 白磁の見方が変わります。

misui

3
かつて東洋で作られた磁器は、西洋においては黄金に比せられるほどの価値を持っていた。他に先んじて磁器を開発することが危急の課題とされ、諸国は秘法を求めて競いあった。そんな中、一人の錬金術師がザクセン選帝侯の手に落ちる。本書は、「賢者の石」の探求に始まるマイセン磁器産業の歩みを描いたノンフィクションである。王侯貴族、技術者や職人、山師など、一癖も二癖もある人物が織りなす物語は、大河小説の趣さえあって無類に面白い。普段何気なく使う道具の陰にも素晴らしい物語が潜んでいる。2012/04/27

ろーじゃ

0
東洋で作られた白く滑らかな磁器が、ヨーロッパの王族達をこぞって魅了させていた事に驚き。歴史をここまで大きく動かしていたとは…。 今でこそ欧州磁器の王として君臨するマイセンですが、製造方法の確立の裏舞台で、人・工場問わず、信じられないほど多くの困難に立ち向かってきた物語は見逃せません。2012/07/11

ビーグルの匂い

0
欧州人のブランド創造力が日本人とは違うことがわかった。日本製・中国製の磁気と同等製品(と思われる)の生産が可能となった時、彼らは販売価格を羨望していたこれらアジア製磁気と同等以上に設定した。もちろん現在とは市場形態や環境がことなるが、通常ならマイセンのような後発は価格設定を低くすることを考えるはずだ。初期の製品が品質やデザインがアジア製より優れていたとは考えにくい。それでも強気に販売し、現在のブランドを築き上げた。円安進行で喜ぶ我々とは考え方が違うのだろう。安売りはやはりいけない。2020/09/24

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