内容説明
人間にとって、火とは何か。神話学・民俗学・芸術などの諸領域を自在に横断し、火の意味のラディカルな考察へ。身辺からイロリやカマドが消え、火の姿を忘れつつある現代文明を問い直す挑戦的論考。
目次
序章 火と生命の誕生
第1章 火と人類の進化
第2章 古代人と火
第3章 神話のなかの火
第4章 民俗のなかの火
第5章 宗教と火
第6章 明かりが開く近代
第7章 芸術と火
終章 火のパラドックス
著者等紹介
大塚信一[オオツカノブカズ]
1939年、東京に生まれる。63年、国際基督教大学卒業。元岩波書店社長。現在、つくば伝統民家研究会代表、社会福祉法人日本点字図書館理事、東アジア出版人会議最高顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shiro
2
「神話学」と銘打ってはいるが、実際神話の話は半分もない。タイトルは「火の文化史」とかにした方が良かったと思う。2012/04/21
蛹
1
火を得ることは、人間が文化的な存在となる上で非常に重要な役割を持っていた。道具や武器、照明として人間の生活に不可欠なものであり続けた火は、我々人間にとっても脅威であり畏怖の対象である。日本神話ではイザナミは火の神を生んだことで死んだとされるが、この状況は人々の火に対する畏怖を顕現化したものであろう。実際の生活の中では家族の中心として囲炉裏や竈などが身近にあったが、それらに関わる神話的な云われも多く伝わる。人間は火を道具として操りつつ、その脅威に隷属することによってコミュニティと文化を生み出してきたのだ。2020/01/22
戦狐
1
民俗学、宗教学、芸術、科学と様々な視点から“火”を考察していて知識の土壌が広がりました2015/04/14
takao
0
ふむ2017/06/17
nono
0
人間が火を獲得した経緯(推測)から、火の描かれている画の考察まで様々なジャンルについて書かれているが、神話は全体の2割ほど。世界各国の火の神話を知りたかったのでちょっと肩すかしだった。分野は多岐にわたっているものの、どの章もさらっと触れているだけで根拠づけはあまりなく、散漫としていて読みにくかった。同じ作者の河合隼雄の本はよかったので残念。原始時代から刷り込まれた火の安心感を失ってしまった現代人としてはとりあえずロウソクを灯してゆっくり過ごしたくなりました。2013/11/10
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