出版社内容情報
かつてあった大阪・松原屠場で働いていた職人たちが、熟達した技術で屠畜解体する場面を迫力あるモノクロ写真で撮影した貴重な記録。文・鎌田慧。新版にあたって英文も併記。
著者等紹介
本橋成一[モトハシセイイチ]
1963年、自由学園卒業。1968年、写真集『炭鉱“ヤマ”』(現代書館)により第5回太陽賞受賞。1995年、写真集『無限抱擁』(リトル・モア)で日本写真協会年度賞、写真の会賞受賞。1998年、写真集『ナージャの村』(平凡社)により第17回土門拳賞受賞。同名のドキュメンタリー映画は文化庁優秀映画作品賞を受賞、海外でも高い評価を受けた。2002年、映画第2作『アレクセイと泉』で、第52回ベルリン国際映画祭ベルリナー新聞賞及び国際シネクラブ賞を受賞、第12回サンクトペテルブルク国際映画祭でグランプリを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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チェアー
8
難しい場をよく撮影したものだと感心。 つくった表情ではなくて生きた表情。 生命を奪って生きていることへの謙虚さ。生命を奪うことの緊張感が映し出されている。 こういう作業に依存して肉を食べている私は、そしてそれを当たり前だと思っている私は、いったいなんなんだろう。 生命を奪うことから遠ざかって、私達の代わりに作業をしている人を差別する社会ってなんなんだ。 2021/06/26
じじちょん
6
絵本「うちは精肉店」を撮影した人の写真集。血抜きや内臓処理、皮むきした後の頭部なども映ってるから敢えて暗めにしたのか。巻頭で牛を引いてる写真あるけど、牛って700㎏くらい体重あるから屠畜する方だって命がけ。どんな動物でも1頭捌くとなんかもったいなくて無駄なく使いたくなる。作業する人たちの活き活きとした表情が良い。欲をいうならば、モノクロのトーンがだいぶ暗すぎて廃墟感があるから「うちは精肉店」くらいの明るいトーンの方がいいかなと思う。2025/01/11
gachin
1
こんなにダークな撮り方しなくてもいいのにとは思う。/ スタニングの瞬間、牛は少し飛ぶ。この後、魚の神経締めのように脊髄まで破壊する。2025/01/01
4番のトラック
0
牛の腹がかっぴらかれて、内臓が丸見えになっていて、その胴体を笑顔で引っ張る青年の写真がある。私はハッとした、これは仕事だと。しかも、職人気質がある仕事なんだと。そういえば映画『ある精肉店の話』でもこういう話があった。「俺たちは命に感謝して屠殺している。命に感謝せずにいろんなものを食べているあんたたちのほうが、怖いよ」。 オートメーション化された屠殺場の労働者は、同じ笑顔をしているだろうか。2023/03/12
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