内容説明
孫の顔を見に、ひさしぶりに華町家を訪れた帰り道、源九郎は大川端で娘を助けようとした若い武士と出会った。青山京四郎と名乗るこの男、藩を逐電したと言うが、面長の端整な顔立ちで牢人とは思えない雰囲気を身につけていた。住む家がないというので、はぐれ長屋で暮らすことになるが、長屋の若い娘たちは、その日から京四郎に夢中になる。大好評シリーズ第十六弾。
著者等紹介
鳥羽亮[トバリョウ]
1946年、埼玉県生まれ。埼玉大学教育学部卒業。1990年、『剣の道殺人事件』で第36回江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビュー。剣豪・人情時代小説で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
39
はぐれ長屋の用心棒「八万石の風来坊」16巻。17巻風来坊の花嫁を先に読了してたので、はぐれ長屋の長屋に住む棒手振りの娘おふくさんとの絡みがっ理解できました、菅井も寂しい別れかな。 2014/02/07
史
4
心地良い貴公子様の未来を守るため、長屋の民は城となり。2022/01/10
ひかつば@呑ん読会堪能中
4
精鋭の士、軍師、隠密が揃っている長屋とはいえど一国の城と同じ。という若さまのキャラもなかなかいいし、長屋に住む健気な棒手振りの娘おふくと無邪気な面を見せた菅井の最後のシーンが印象に残った。2012/10/23
nyaboko
3
助けた若侍が大名家の三男坊で、お家騒動に巻き込まれることに。青山、お前弱いんだからすっこんでろ!、と言えない周囲の人達の苦労に涙する話(ウソ) 長屋の娘のほのかな恋心な話もあるが、なんだか作家がこの手の話に書きなれてないのか、単に紙面が割けなかったからなのか「とってつけただけ」な印象。そして少女の恋心に気付かぬほどのニブチンはいい殿様になれないと思うwww2012/10/02
ソババッケ
2
シリーズ16作目。今回は羽州・田上藩8万石の若様・青山京四郎がはぐれ長屋に転がり込んできたことで事件が発展する。世子と目される京四郎の兄は病弱で、それを後見しようと叔父が暗躍をはじめた。よくあるお家騒動のパターン。主人公の源九郎は58歳、少し走ればすぐに息があがる。深川六間堀町の華町家、倅の俊之介と嫁の君枝、孫の6つの新太郎、2つの八重は健在。本の出版年経過に伴って物語の登場人物達も年を経ていくようだ。最新作では源九郎も還暦をこえているのだろう。剣の腕だけは衰えないことを期待する。★3.22012/11/01