内容説明
本書は、日々時々を追った詳細な生活事項と作品活動、三島自身の手紙や文章、肉親知友の証言、エピソード、没後史、290点の写真図版を組み合わせて浮彫るヴィジュアル版作家読本。
目次
第1章 幼少年期(大正14年~昭和15年)
第2章 戦時下の思春期(昭和16~20年)
第3章 『仮面の告白』の時代(昭和21~26年)
第4章 『金閣寺』の時代(昭和27~32年)
第5章 『鏡子の家』の時代(昭和33~39年)
第6章 『豊饒の海』の時代(昭和40~45年11月24日)
第7章 昭和45年11月25日
第8章 没後史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
2
芥川も三島も自画像が醜い、作家は自己分析が厳しいのかなあ。数々の写真から、私が思っていたほ格好良くもなくむしろひ弱なオタクという印象を受けた。舞台で足が震えゲタがカタカタなって笑われたり、ボクシング試合でジタバタする映像にマンボの曲がぴったり合うと笑われたり。ムリしながらも精いっぱい生き切った感じが強く伝わり、自分の子供のようにかわいいなあと思うようになった。命を懸けて書いた「豊穣の海」と、自宅に来た強盗に対して三島は逃げ出したのに冷静に対応した父の「倅三島由紀夫」を読みたくなった。2019/05/06
かがみん
0
同時代人として彼の思想、そして死に触れていたなら、自分は一体どう感じ、何を思ったのだろうか。既に死去した作家として、あるいはセンセーショナルな行動をした日本人として、あるいは思想と"情死"した人間として、様々捉えることができたとしても、同じ空気の中で生きられなかった自分には、それを基に考えられないのが歯がゆい。2012/05/12