世界を創る女神の物語―神話、伝説、アーキタイプに学ぶヒロインの旅

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  • サイズ A5判/ページ数 465,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784845916078
  • NDC分類 164
  • Cコード C0090

出版社内容情報



少女はやがて女神になる。
水と大地を感じさせる叡智と洞察の物語へ──

世界の神話・民話から「英雄(ヒーロー)目線ではないヒロイン(女性性)の旅」を読み解く、女神神話の物語分析、決定版。
    
○キャラクター、ストーリー、世界観を作る、すべての物語創作者必携の1冊

○昔話の類型「アールネ・トンプソンのタイプ・インデックス(抜粋)」付き



昔話はイマシ?ネーションや希望、人間らしさにあふれています。人間に共通の「集合的無意識」を表すものもたくさんて?、願望実現や問題解決、気つ?きのヒントを与えてくれます。おとき?話と神話は手ほと?きをするイニシエーターて?あり、若い世代を導く賢者て?す 。
───本文(イントロダクション)より


古代の女神は大地や海であり、生命の母でした。優美で残酷、絶対的な支配者で、「イシュタル、アスタルテ、キュベレは、残忍で、気まぐれで、淫乱だった。彼女たちには力があったのだ。死と生の源泉である彼女たちは、男たちを産んで、奴隷にした」と、シモーヌ・ド・ボーヴォワールも『第二の性』で記しています。(中略)「ヒロインの旅」も、英雄の旅と同じように普遍的で尊く、力強いものです。
───本文より


ジョゼフ・キャンベルの『英雄の旅』や『千の顔を持つ英雄』では、「英雄(ヒーロー)」は失ったものを取り戻し、命を救う霊薬を探して魔法の剣で悪と戦い、やがて叡智を得て村に帰還します。スターウォーズもアーサー王の伝説も、数多くの物語が悪を倒し、恐怖を乗り越え、大人になります。
では、「ヒロイン」は?
英雄(ヒーロー)が冒険の中で論理や勇気、力を表す一方、ヒロインは創造力や慈愛、鋭い直感を表します。決して、ヒーローに助けられるのを待つばかりではありません。

「ヒロインの旅」は献身と勇気を携え、常に前を向いて歩く強さがあり、水と大地を感じさせる叡智と洞察の物語です。月のサイクルに従って生き、苦しみに耐えながらもやさしい世界を求め続け、少女はやがて女神へと成長していきます。そこには、現代の女性の生き方へと続く系譜があります。

本書では、世界各地の神話、伝説、民話や民間伝承を楽しみながら、「ヒロインの旅」をステップごとに追う、「女神たちのストーリーテリング」を凝縮しています。
アニメ、マンガ、ゲーム、映画や小説など、各ジャンルの物語創作のヒントとなるのはもちろん、心理学、神話学やジェンダーの研究にも必携の1冊となります。

イントロダクション
叙事詩と民話
出典

■PART? 旅のステップ

成長:平凡な世界
・Chapter 1 暗闇のささやき:冒険への誘い
『野の白鳥』(デンマーク)/「森へ行きたい」という願望/声を失なう/自分を探す
・Chapter 2 眠れる森の美女の蛹:誘いの拒絶
『ニーベルングの指環』(ドイツ)/男性性(アニムス)との出会い
・Chapter 3 あなたは助けが必要ね:師との出会い
『タムとカム』(ベトナム)/魔女の影響/異母姉妹/意地悪な母
・Chapter 4 私の剣はどこ?:不思議な力
『ケリドウェンの大釜』(ウェールズ)/刃ではなく杯を/剣と槍と稲妻/剣を持たない強さ

無意識の世界の旅
・Chapter 5 境界線を越える:第一関門
『ヒナの航海』(サモア)/無意識の世界に入る/水のエレメント
・Chapter 6 動物たちとの出会い:味方と敵
『イシュ・チェル』(マヤ)/森の怪物たち/ヘビの姿をした番人

伴侶との出会い
・Chapter 7 野獣を抱き込む:恐ろしい顔をもつ恋人
『タム・リン』(スコットランド)/クピドとプシュケ/美女と野獣
・Chapter 8 許されざる結婚:父との対決
『千匹皮』(ドイツ)/父との対決
・Chapter 9 最も深い罪:虐待から癒しへ
『手なし娘』(南アフリカ、コーサ)/追放と放浪/女性的なシンボルと触れ合う
・Chapter 10 「この指輪をはめれば」:聖なる結婚
『シェヘラザードとドニアザード』(中東)/衣服の交換/リリスの伝説/伴侶とのパワーバランス/支配する女神、生贄の王/男女の相関関係

自己と向き合う
・Chapter 11 呼び続ける声:闇に下りる
『イナンナの冥界下り』(シュメール)/あわれみの気持ちが試練にさらされる
・Chapter 12 「容赦しないわよ!」:恐ろしい母との対決
『コアトリクエ』(アステカ)/女が年を取ること/母からの分離
・Chapter 13 怒りを鎮める:心の闇を癒す
ルイーズ・ボーガン作『メドゥーサ』( アメリカ)/メドゥーサの伝説/怒りの解消
・Chapter 14 特効薬を手に入れる:報酬
『ライオンのひげ』(スーダン)
・Chapter 15 魔法のじゅうたんと靴:逃走と帰還
『バーバ・ヤーガ』(ロシア)/時間稼ぎのための障害物/閉じこもって拒絶する女神らしさとすこやかさ
・Chapter 16 サイクルを繰り返す:再生
『変わる女』(ナバホ)/再生のイニシエーション
・Chapter 17 究極の姿:生と死とを司る
『デメテルとペルセポネ』(ギリシャ)/生と死の円/生と死の母

PART? アーキタイプ

反対側に映るもの
 満ちていく月:乙女
・Chapter 18 あっぱれ、賢い女の子!:若き冒険者
『金蓮』(中国)/ 男性社会で勝利する/自分のやり方で成し遂げる
・Chapter 19 プリンセスは物じゃない:報酬
『デアドラの物語』( アイルランド)/「ずっと幸せに」はあり得るの?
・Chapter 20 ムーランの姉妹愛:女戦士
『ウサギ狩りの少女』(アメリカ南西部、ズニ族)/ 英雄の道
・Chapter 21 剣と楯:戦士の恋人
『アナトとバアル』( ウガリット)/ 戦士間の恋愛
・Chapter 22 姉妹たち:民話に見るレズビアニズム
『熊皮の女と熊女』(ブラックフット族)/「トゥー・スピリット」/女詩人サッフォー
・Chapter 23 選ぶ権利:誘惑する女
『アフロディテの結婚』(ギリシャ)/ ファム・ファタール( 運命の女)/性的な面での自立/ 誘惑のパワー

満月:母
・Chapter 24 もう一つの選択肢:挫折した母
『賢いクリスタル』( チリ)
・Chapter 25 決意と純潔をまとう人:妻
『イシスとオシリス』(エジプト)/勇ましい女
・Chapter 26 疲れを見せないヒロイン:立派な母
『シャーマンの女』(シベリア)/自らを差し出す心
・Chapter 27 大地と海の化身:偉大なる女神
『ペレとヒイアカ』( ハワイ)/グレートマザー(太母)
・Chapter 28 アニマを切り離す: 昇華された女神
『イザナギとイザナミ』(日本)/イエスとマリア
・Chapter 29 災いよ、倍になれ:テリブルマザー(恐ろしい母)
『泣き女』(メキシコ)/魔女の怒り/人肉を食う女王たち/悪い魔女たち

欠けていく月:老婆
・Chapter 30 闇に降るナイフ:破壊者
『カーリーの誕生』(インド)/女性性の恐ろしさ/猛威をふるう破壊者
・Chapter 31 全てを知る女:ワイズウーマン(老賢女)
『老女と悪魔』(パレスチナ)/解き放たれた力/死の支配人/魔法の知恵/内面の成長
・Chapter 32 女狐おばさんと仲間たち:トリックスター
『度胸がある女』(ペルシャ)

新月:魂の守護者
・Chapter 33 不思議な姿の門番:守護者
『石の舟に乗った魔女』(アイスランド)/白鳥処女(羽衣伝説)/さよならは言わない
・Chapter 34 円の完成:再生
『銅色の女の娘たち』(ヌー・チャ・ヌルス、バンクーバー島)/新しい始まり

おわりに
訳者あとがき
著者・訳者紹介
付録:アールネ・トンプソンのタイプ・インデックス(抜粋)
引用文献一覧


ヴァレリー・エステル・フランケル[ヴァレリー エステル フランケル]
文筆家。米国カリフォルニア州在住。初期に発表した『Henry Potty』シリーズがハリー・ポッターのパロディー小説として高く評価され、DreamRealm賞やIndie Excellence賞など数多くの賞を獲得。以後、物語におけるヒロインの役割を鋭く分析した書籍を精力的に発表し、人気TVドラマ『アウトランダー』や『ゲーム・オブ・スローンズ』、『バフィー?恋する十字架?』や映画/小説『ハンガーゲーム』などの分析本など、著書は40タイトル以上にのぼる。サンノゼ州大学をはじめ、多くの場で講師やコメンテーターとしても活躍中。
著者ウェブサイト:www.vefrankel.com(英語)

シカ・マッケンジー[シカ マッケンジー]
関西学院大学社会学部卒。「演技の手法は英語教育に取り入れられる」とひらめき、1999年渡米。以後ロサンゼルスと日本を往復しながら、俳優、通訳、翻訳者として活動。教育の現場では、俳優や映画監督の育成にあたる。ウェブサイト英語劇ドットコムを通じ、表現活動のコンサルティングも行なっている。訳書に文化庁日本文学普及事業作品『The Tokyo Zodiac Murders』(英訳、共訳)、『魂の演技レッスン 22 』『“役を生きる” 演技レッスン』、『監督と俳優のコミュニケーション術』、『監督のリーダーシップ術』、『新しい主人公の作り方』、『ストラクチャーから書く小説再入門』、『クリエイターのための占星術』(フィルムアート社)他。

内容説明

世界の神話・民話から英雄目線ではない「ヒロインの旅」を読み解く、女神神話の物語分析。キャラクター、ストーリー、世界観をつくる物語創作のヒント。「アールネ・トンプソンのタイプ・インデックス(抜粋)」付き。

目次

1 旅のステップ(成長:平凡な世界;無意識の世界の旅;伴侶との出会い;自己と向き合う;女神らしさとすこやかさ)
2 アーキタイプ(満ちていく月:乙女;満月:母;欠けていく月:老婆;新月:魂の守護者)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

YúKa(ユーカ)@ハガレン読み終えました

27
世界各地に伝わる物語をヒロインの視点(!)で読み解いた本。同じ観点では『聖娼』や『紫マンダラ』があるものの、これらは些か専門的すぎる。しかし、この本は違う。男性にはない不思議な魅力を持つヒロインたちに魅了されながら、心理学等も含む難しい内容を自然に読み込める、珍しい良書だ。アジア、アメリカ・アフリカ・ポリネシア先住民の物語も紹介されており、内容にこれといった誤りは見つからなかった。こういう良書が自然な日本語で読めることはありがたいこと。創作者だけでなく、すべての女性に読んでほしい。今週で最高の本だった。2016/12/14

moshi

12
ヒロインを中心として世界中の神話や童話を読み解く物語分析の本。女性とは、女神とは、生と死、破壊と創造とは何なのかが世界中の昔話に描かれている。いかに結婚生活を上手く運営するのか、乙女はどうやって知恵を身につけて自立するのか等、女性に人生に対する示唆が散りばめられていて、非常に興味深い。実生活に活用できるかは別だけど(笑) 物語を創る人にとっては、世界観を創るヒントが得られそうな本。著者には是非とも村上春樹の小説を分析・解説して欲しい(笑) これを読むと村上氏の小説がいかに神話や童話的なのかがよくわかる。2019/04/10

ばななうゆ

3
世界中の神話民話などに登場する女神や女性についてまとめられている。日本の古事記も紹介されている。先に男性主人公ヒーローに関する本(顔のない神々だったかな?)が前提とされているようなので、そちらをぜひ読んでみなくては。お話の中だけではなく現代女性の生き方にも通じるとが、今の多様な考えに応じた物語が生まれてもいいと思う。昔読んだ少女漫画がこの中で紹介されている民話と内容がほとんど被っていた事に驚いた。さすが面白い話だと思っていた。漫画家さんは研究してらっしゃいますね。2020/05/28

Rootport Blindwatchmaker

3
キャンベルの『千の顔を持つ英雄』をはじめ、神話論や物語論はヒーロー、すなわち男性の視点に偏りがちだ。しかし、女の主人公には枚挙に暇がなく、女には女の物語があるはずというのが本書の視点。この切り口そのものは、私も同じことを考えていた。シンデレラを一般的な「ヒーローズジャーニー」で分析するのは無理がある。とはいえ、本書は元ネタの『千の顔』と同様、ややポストモダン的。仮説→検証を繰り返す科学的な書き方になっておらず、したがって反証もできない。創作のアイディアの種が欲しいときにパラパラとめくるのが正しい使い方か。2017/01/11

Utsugi Yuan

2
『千の顔を持つ英雄』のヒロイン版と言える本。「私たち一人ひとりが女神として人生を生きている」という著者のメッセージ通り、紹介されている世界中の物語はいずれも、女性が人生で出会う試練を描いていた。お決まりの悪者である継母や魔女はプリンセス自身の心の闇、いずれ越えるべき姿、取り込むべき力の象徴である。いつまでも若さと美だけを纏い続けることはできないのだ。ジョゼフ・キャンベルは御伽噺を子供の娯楽と切り捨てたが、本書はもっと深い意味を探っている。女性を主人公にした昔話・伝説への見方が大きく変わった。2020/03/26

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