ランドルトの環

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ランドルトの環

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  • サイズ B6判/ページ数 234p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784575241587
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

いくら身体を重ねても、完全に満たされることはない。だから俺は、今日もまた会いに来てしまう――。高校二年生の瞬の前に現れたのは、20歳以上の年の差がありながら、まるで魂を分けあったかのように心が通じる女性、那知だった。那知がかつて諦めた夢を叶えるため、気持ちをひとつにした二人はしだいに強く惹かれあう。だが、それは互いを失うかもしれない怖さを孕んだ日々の始まりでもあった。運命的な愛に揺れる少年の姿を、繊細な筆致で描いた著者会心のデビュー長編。

内容説明

高校二年生の瞬の前に現れたのは、二十歳以上の年の差がありながら、まるで魂を分けあったかのように心が通じる女性、那知だった。那知がかつて諦めた夢を叶えるため、気持ちをひとつにした二人はしだいに強く惹かれあう。だが、それは互いを失うかもしれない怖さを孕んだ日々の始まりでもあった―。運命的な愛に揺れる少年の姿を、繊細な筆致で描いた著者会心のデビュー長編。

著者等紹介

八幡橙[ヤハタトウ]
1967年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。出版社に勤め、教科書や雑誌の編集に携わった後、25年間フリーライターとして数々の雑誌、書籍等に寄稿。『ランドルトの環』が初の小説となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

103
マンガ好きな眼鏡屋の息子高2の瞬が恋に落ちたのは、元漫画家のアシスタント38才のバツイチの那知。彼女の息子は瞬の隣のクラスにいて、しかも妹の彼氏。フランスのマクロン大統領、野球のペタジーニなど全くあり得ないことではないのかもしれないが、本人たちよりも家族の衝撃は大きい。瞬のストレートな想いと、戸惑いつつもそれを受け止める那知。だって、出会っちゃたんだもの…。この結末は当然と言えば当然であるが、瞬の一途な想いがズキンと来る。2020/05/22

あじ

48
平坦な毎日を漕ぐ男子高校生が、年上の女性に恋慕を抱く。 ブレーキを開放し自転車で坂道を下っていく高揚感に吼え、しがらみの風圧を割っていく爽快感に酔いしれながら、突き刺さる分別を満身創痍で受け止めようと人知れず覚悟を決めていく。 作者は彼を思慮深く描く一方で、彼女と母親のそれぞれの立場で注がれる愛情を俯瞰する。 粛々と帰結させた通過儀礼は、背徳であり神聖でもある。 その曖昧さは、近視の瞳に映るランドルト環に似ている。 矯正を必要としない愛は素直だった。2019/02/15

ami*15

45
「青春」っていうよりは「性春」という言葉の方がこの物語には相応しいかも。年上女性と知り合った男子高校生が少しずつ「大人」になっていく物語。年の離れた瞬と那知さんには漫画が好きだという共通の趣味がある。2人の好きなものが後に恋愛関係を築いたり、那知さんが諦めてしまった夢への再挑戦の扉を開いてくれたりと胸がときめく展開が沢山ありました。好きなものから広がる人間関係って素敵ですよね。恋愛面が結構際どかったのが私としては微妙…だったけど、瞬が将来の夢を見つけるまでの物語という見方ではまあまあ良作かなと思いました。2019/06/23

じょんじょん

42
『ランドルトの環』検眼記号、初めて聞いた言葉でした。著者とも初逢い。青春ストーリーなんだなあ。『ライ麦畑』のようにシニカルじゃないし、『赤ずきんちゃん』のように虚無的でもない。主人公は今風の若者だけど、実はとても素直で優しくてピュア。年の差恋愛だけれど、どろどろ感はありませんでした。もっとも、ストーリーの7割進むまでは、プララブだし。読者の立場によって感じ方も変わるかと思うけど、自分は主人公にシンパシイありました。しかし、エンドのアンハッピーはわかっていて、つきすすむ終盤は胸がしめつけられる思いがしました2021/05/18

Natsuko

35
「いつかたどりつく空のした」が良かったので八幡さんデビュー作を手に取る。「いつか〜」は納棺師が主人公、ずっしり重かったが、本作は恋愛小説、同じ作者と思えないほど設定や会話、展開が軽めに感じた。好みではなかったが、こんなにテイストのちがう小説が書けるのもスゴいなあとも😓2022/04/09

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