内容説明
喫茶店『珈琲屋』の主人・行介は、あることで人を殺した。刑期を終えた行介を出迎えたのは、かつての恋人・冬子。冬子は、行介の出所に合わせるように離婚をしていた。以前と同じように語りはじめるふたり。だが、何かが違っていた…。心に染み入る連作集。濃厚な人間ドラマ7編。
著者等紹介
池永陽[イケナガヨウ]
1950年愛知県豊橋市生まれ。岐阜県立岐南工業高等学校卒業。グラフィックデザイナー、コピーライターを経て、1998年『走るジイサン』で第11回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2006年『雲を斬る』で第12回中山義秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
162
続編です。前作が思いのほか自分的にはストライクな作品だったので、期待感大で読みましたが、自分の中で正直ハードルをあげすぎてしまったかもしれません。決して面白くないワケではなかったのですが、前作に比べるとなんとなくまとまりが悪いというか、話がブレてしまい「別に珈琲屋を舞台にしなくても・・・」と思えてしまう流れに感じました。主人公に対する「人を殺した」説明が、正直だんだんしつこく思えてきました。大切な注釈なのはわかるのですが、今作ではあまり重要視されていなかったような・・・。更なる続編(連載中)に期待です。2014/01/11
myunclek
71
「大人の言い分」が、どうにも池永陽らしくなかった。行介が殺人の前科を持つとは言え、洋品店の島木の言動があまりにも酷い。そして、誰も救われない結末に唖然とするばかり。「ちっぽけな恋」も今一の出来。その他の作品は、いかにも池永陽らしかったので余計つまらなく感じた。冬子のことは、幸せにしてあげなきゃ!2015/03/01
マッツ
65
珈琲屋の人々の続編。はまって続けて2冊読みました。いろいろな家庭の問題がからんで解決して、行介と冬子のこれからがきになりますよね。2014/04/15
mr.lupin
64
珈琲屋の人々の第2作目。男と女、イロイロなドラマが綴られています。ちょっと強引な設定も目についたけど、面白く読了。どうでもいい話だけど、珈琲屋に訪れる人はみんなブレンドをオーダーするけど、他の種類は無いのかな?(笑) 最後の冬子のその後が気になりますね。 ☆☆☆★★2018/02/09
とし
64
様々な悩みを持って「珈琲屋」を訪れる人々、熱いけど温かなコーヒーと行介の手。無駄な事は言わないが短い言葉で癒され胸のつかえが取れていく素敵な物語でした。冬子さんの様態と二人の行く末が気になる最後は幸せを暗示させるような続編を期待します。2013/10/10
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